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1989 年度 実績報告書

肝移植と肝保存に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480328
研究機関熊本大学

研究代表者

田代 征記  熊本大学, 医学部, 助教授 (30040249)

キーワード肝移植 / 肝保存 / SOD(Super Oxide Dismutose)
研究概要

肝保存の研究としては血中半減期の極めて長い病巣指向性SOD誘導体(SMーSOD)を用いて、阻血肝における活性酸素毒性の役割とその制禦について検討した。肝移植実験としては豚を用いて我々の所で考案したveno venous bypassを行う肝移植術について検討した。
(方法) 豚12頭を用い、Eck瘻を作成した後、常温下に肝門部で肝流入血行を遮断した。実験群は60分遮断(I群)、120分遮断(II群)、SMーSOD(10mg/kg)+120分遮断(III群)、180分遮断(IV群)、SMーSOD+180分遮断(V群)にわけ、経時的に肝逸脱酵素(GOT、LDH)、動脈血中ケトン体比を測定した。また血行再開後の胆汁流量および脂質過酸化反応の指標として胆汁中のMDAを測定した。また肝機能の指標としてBSPの経肝細胞輸送を検討した。豚28頭(肝移植14組)を用いて従来行われていたVーV bypassカニウレを脾静脈に門脈の流出路を置くA群9頭と門脈本幹にDonorの大静脈のグラフト片を吻合し、これを門脈の流出路に使用するB群5頭に分けて、手術成績を検討した。
(結果) 血中GOT、LDHはI群以外の群で血行再開後著明に上昇したが、再開15分後から、II群(GOT465u/1、LDH1643u/1)に対しIII群(GOT405u/1、LDH1242)、IV群(GOT641、LDH1697)に対しV群(GOT454、LDH1142)はSMーSOD投与により改善された。ケトン体比もII群(0.48)に対しIII群(1.1)、IV群(0.36)に対しV群(0.76)において高値であった。血行再開1時間以後の胆汁量はII群に対しIII群で良好で、胆汁中MDAもIII群で低値であった。IV、V群では1時間後の胆汁は得られなかった。BSPの胆汁中移送はII群よりIII群で良好であった。肝移植のA群ではVーV bypassの流量は一定せず、7頭が術中死、他の2例は2日、6日生存したが成績は悪く、B群では1日以内死2頭で、他の3例は2日、9日、10日生存し、安定した術式となった。今後UーW solutionを用いた24時間保存肝移植を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Seiki Tashiro,Shunji Kawamoto,Kenichiro Nakakuma,et al.: "Evaluation of early graft function in orthotopic liver transplants in dogs" Transplantation Proceedings. 21. 1344-1346 (1989)

  • [文献書誌] Shunji Kawamoto,Masayasu Inoue,Seiki Tashiro,Yoshimasa Morino,Yoshimasa Miyauchi: "Role of free radicals in enters-hepatic dysfunction caused by portal circulatory disturbance:Effect of SOD derivative" Transplantation Proceedings. 21. 1287-1289 (1989)

  • [文献書誌] Shunji Kawamoto,Masayasu Inoue,Seiki Tashiro,Yoshimasa Morino,Yoshimasa Miyauchi: "In hibition of ischemia and reflow-induced liver injury by an SOD derivative that circulates bound to albumin" Archives of Biochemistry and Bisphysics. 277. 160-165 (1990)

  • [文献書誌] Shunji Kawamoto,Masayasu Inoue,Shuichi Kohsi,Seiki Tashiro,Yoshimasa Morino,Yoshimasa Miyauchi: "Medical,Biochemical and chemical Aspects of Free Radical" O.Hayashi,E.Niki,M.Kondo,T.Yoshikawa, 709-712 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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