研究課題/領域番号 |
01480334
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
桜井 健司 東京慈恵会医科大学, 第一外科, 教授 (00147315)
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研究分担者 |
〓村 泰樹 東京慈恵会医科大学, 第一外科, 助手 (00193920)
吉田 和彦 東京慈恵会医科大学, 第一外科, 助手 (90191577)
石田 秀世 東京慈恵会医科大学, 第一外科, 助手 (60168226)
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キーワード | 大腸癌転移 / 腫瘍特異性抗原 / モノクロ-ナル抗体 / ヒト大腸癌転移モデル / Radioimmunoguided surgery |
研究概要 |
消化器癌の治療成績を向上させるにためには、原発巣の根治的外科切除とともに続発する肝臓、肺、腹膜、リンパ節の潜在・微小転移巣を早期診断し、治療することが大切である。 今年度の研究では大腸癌転移モデルとして、昨年の肝転移モデルに引き続き、肺転移、腹膜転移を作成することに成功した。さらに、大腸癌転移モデルを用いいて標識した特異的モノクロ-ナル抗体を投与後の術中操作用gamma detecting probe(GDP)の潜在・微小転移に対する診断能を検討することができた。 1.大腸癌転移モデルの作成:ヒト大腸癌高転移株(HT29LMM)を用いることにより、再現性の高い肺、腹膜転移モデルを作成することに成功した。以後の実験では、GDP診断能の検討に適している肝転移モデルを用いた。 2.GDPの潜在・微小転移に対する診断能:肝転移マウスにIー125標識mAb HT29ー15を投与した。特異的な集積を確認する目的で肝転移マウスに標識した非特異的mAb BLー3を投与した群と、肝転移のないマウスに標識mAb HT29ー15を投与したコントロ-ル群を設定した。標識mAb投与後、体外GDP測定を連日7日間、術中GDP測定を5日目と7日目に施行した。体外測定は右側腹部(肝臓に一致した部分)の測定値(count/10sec)を心臓領域(blood background)のそれで除し、右側腹部:心臓領域比を求めた。連日の同比は肝転移マウスへmAb HT29ー15投与した群が、コントロ-ルの2群より有意(p<.001)に高かった。さらに腫瘍量の大きな亜群(平均腫瘍重量493mg)の同比は、腫瘍量の小さな亜群(平均腫瘍重量161mg)のそれと比較して有意(p<.001)に高く、潜在的な腫瘍量も推定できた。術中測定における転移巣(平均直径:4.7mm;平均重量:51mg):心臓領域比は1.7:1であり、非特異性mAb投与群のそれ(0.4:1)よりも有意(p<.0001)に高く、微小転移の特異的な検出も可能であった。
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