研究分担者 |
藤野 道夫 千葉大学, 医学部, 医員
馬場 雅行 千葉大学, 医学部, 助手 (00143305)
柴 光年 千葉大学, 医学部, 助手 (20162620)
藤沢 武彦 千葉大学, 医学部, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部, 教授 (80009448)
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研究概要 |
れわれは肺癌術後のAdoptive Immunotherapy(AIT)のPhase 1 studyとして、1)抗腫瘍免疫リンパ球による宿主免疫能への影響、2)再発肺癌、手術不能例に対するAITのPhase 2 study,3)肺癌術後補助免疫療法のRand omized controlled studyについて研究を行なってきた。1)の抗腫瘍免疫リンパ球による宿主免疫能への影響については、a)成熟T細胞のマ-カ-であるCD3陽性細胞の比率はAIT後に有意に上昇しb)CD4/CD8比も上昇し、この傾向は再発を認めない症例で特に顕著であった(Hー2,癌免疫外科学会、Biotherapy,4,1762ー1767,1990)。2)の再発例、手術不能例に対するAITのstudyでは、転移性肺腫瘍に対する養子免疫療法として発表(Hー2,癌治療学会総会)したが、AIT施行5例中1例にPRが得られ、術後AITを行なった4例中3例に現在再発を認めていない。また、抗CD3抗体の各種LAK細胞の活性に対する影響を調べ、肺癌所属リンパ節由来のRnーLAKの活性を特に促進すること、さらにこの傾向は、転移のないリンパ節よりも微小転移のあるリンパ節において顕著であることを報告した(Hー2,日本癌学会総会、Jap.J.Clin,Oncol,投稿中)。3)の肺癌術後のRandomized controlled studyでは、III期非小細胞癌相対的治癒切除例(30例),非治癒除例(65例)の計95例が登録され、このうちIL2,LAK細胞によるAITを受けたのは41例で術後再発率、生存率、Tumor free survival について検討を行なっている。AITを受けた症例の1生率は92.4%,3生率は53.2%で免疫療法を行なわなかった群のそれが77.0%,36.3%であるのに比較し、有意に良好な成績であった(新潟肺癌研究総会特別講演、肺癌に対する養子免疫療法、Hー3,日本外科学会総会発表予定)。さらに現在AIT後の再発例の検討から、AITの投与経路、投与間隔、投与期間、投与量などについて各症例にあった方法を検討し、改良する予定である。
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