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1990 年度 実績報告書

心臓手術・補助循環に於ける血液成分の変化とその生体に及ぼす影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480340
研究機関新潟大学

研究代表者

江口 昭治  新潟大学, 医学部, 教授 (90018367)

研究分担者 大関 一  新潟大学, 医学部付属病院, 助手 (70213717)
土田 昌一  新潟大学, 医学部付属病院, 助手 (20227383)
金沢 宏  新潟大学, 医学部付属病院, 助手 (10177496)
林 純一  新潟大学, 医学部, 助手 (30164940)
キーワード体外循環 / 人工肺 / 凝固系 / 線溶系 / 血小板系 / 白血球系 / 補体系
研究概要

心臓手術時の体外循環における血液障害の全貌と程度、さらにその成因を明らかにするため、本年度は特に、臨床とMock人工肺回路におけるその差異から、材料系の反応と生体側の反応を区別し、外的制御の介入可能性をさぐった。1凝固系。臨床では凝固因子の消費、トロンビンの急増と同時に凝固阻止因子、線溶系が強く作動した。Mock回路では接触因子の活性化とともにトロンビン生成が増加し、阻止因子が働くものの、フィブリン形成機転が進行した。2線溶系。臨床では線溶活性の亢進、線溶阻止因子が持続的に増加するが、Mock回路では血管内皮系の反応がないためか線溶活性は過剰亢進には至らなかった。3血小板系。血小板数の減少が起るが、流血外から徐々に動員され次第に回復した。
また血小板凝集能は、機能性の高い血小板がほとんど消費されるため強く抑制され、その回復には数日を要した。更にトロンビン等の刺激により血小板放出因子が増加し二次凝集を促進した。血小板凝集能や放出因子の動態は、臨床とMock回路とで基本的な差異を認めなかった。
4白血球系。低温導入や同種血輸血により減少した好中球は復温とともに急増し、これにともない活性酸素産生は減少から増加へ転じ、好中球放出プロテア-ゼであるエラスタ-ゼは急増した。5補体系。臨床ではC3aは急増し、過酸化脂質が増加したことから、血管内皮障害の進行がうかがわれた。以上臨床の体外循環では、凝固線溶系の活性化とその阻止因子の動員、機能性の高い血小板の消費と放出因子の増加、好中球プロテア-ゼやアナフィライトキシンの増加が特徴的であった。
接触因子やプロトロンビン活性の抑制、血小板の温存、プロテア-ゼインヒビタ-の利用等がこれらに対する外的制御介入点と考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中沢 聡: "自己血開心術の白血球動態" 自己血輸血. 2. 40-43 (1989)

  • [文献書誌] 斉藤 憲: "ヘパリンコ-ティングチュ-ブとロ-ラポンプによる補助循環の臨床" 人工臓器. 19. 160-163 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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