研究課題/領域番号 |
01480346
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小柳 仁 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90138884)
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研究分担者 |
野々山 真樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40201701)
北村 昌也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90183300)
八田 光弘 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00167587)
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075302)
橋本 明政 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075185)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 心臓移植 / 心肺移植 / 拒絶反応 / 免疫抑制剤 / 食道ペ-シング / 電気生理学的方法 |
研究概要 |
我々は、電気生理学的方法を用いて、心筋拒絶反応をより早期に診断する事により、移植術後生存成績を向上を計るべく研究を行った。初期研究では、ラット心移植モデルを用いて、異所性心移植を施行し、その後、心筋電極を植え込み、体外よりペ-シング可能とし、それぞれ不応期の延長を測定した。この変化は、移植後拒絶反応発生と同時に有意な延長を示し、移植後2日目の84±6msecから7日目108±10msecまで延長を認めた。これを組織学的に検討した結果、移植後7日目においては、リンパ球の刺激伝導系に対する著明な浸潤を認め、これによる不応期延長を示すものである事が判明した。また、術後7日目よりステロイド、サイクロスポリンの投与を開始し、拒絶反応が緩解した群では、88msecまで不応期の改善を認め、組織学的にもこれを示唆する所見が得られた。 この結果より、ERPーAVCSは、拒絶反応のモニタリングとして有用であると考えられた。また、本法の臨床応用に主眼をおき、免疫抑制剤療法下の急性拒絶反応の早期診断にも有効である事が判明した。一方、この方法は、心房ペ-シングが必須であり、術後4〜6週間は、術中に装着した導線により非侵襲的に繰り返し行い得るが、導線が抜管された退院後の拒絶患者には、臨床的に用いる事は出来ない。そこで、ドナ-心の左心耳を、レシピエントの左房後壁の切開部に吻合する新しい左房手術“傍食道左房吻合法"の有用について実験的に、これを証明した。
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