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1991 年度 実績報告書

モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)患者の遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01480354
研究機関京都大学

研究代表者

菊池 晴彦  京都大学, 医学部, 教授 (20072746)

研究分担者 寳子丸 稔  京都大学, 医学部, 助手 (70211539)
永田 泉  京都大学, 医学部, 講師 (10198327)
キーワードモヤモヤ病 / ウィリス動脈輪閉塞症 / bFGF / bFGFリセプタ- / 免疫組織化学 / 浅側頭動脈 / 単純ヘルペスウィルス
研究概要

モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)は内頚動脈を中心に内膜の肥厚による血管狭窄をきたし、脳底部を中心とした異常血管網を形成する疾患であるが、その病因に関しては諸説あるにも関らず不明である。bFGFは血管内皮細胞、血管平滑筋細胞に存在すると同時に、これらの細胞に対して増殖を促進する作用が知られている成長因子であるが、我々は昨年度までの免疫組織学的検討により、モヤモヤ病の浅側頭動脈の中膜平滑筋細胞においてbFGFの免疫染色性が増大していることを認めた。本年度は、bFGFの作用を明らかにする目的でbFGFリセプタ-(FLG)の免疫組織学的検討をおこなった。抗ヒトFLGポリクロ-ナル抗体を用いて4例のモヤモヤ病および5例の通常の脳血管閉塞症患者の浅側頭動脈を検討した。その結果、モヤモヤ病の浅側頭動脈の中膜筋層では、bFGFとbFGFリセプタ-が同時に存在し、autocrineのメカニズムでbFGFが作用していることが示唆された。以上のことより、我々は、中膜平滑筋細胞の内因性bFGFが増加することにより、細胞の移動能、浸潤能、増殖能が増大し内膜肥厚がおこるのではないかと推論した。ところで、モヤモヤ病の外頭動脈撮影の検討の結果では、約20%の症例で外頚動脈系にも狭窄病変が存在することを認め、モヤモヤ病の狭窄病変は全身性のものであると考えられ、従って、内膜の肥厚に関与していると考えられるbFGFの発現の増加は全身性のものである可能性が示唆された。次に、我々はbFGFの発現を亢進させる因子として単純ヘルペスウィルスを検討した。本ウィルスはbFGFと相互作用することが知られており、類縁ウィルスであるマレック病ウィルスがニワトリに内膜肥厚を発生させることが知られている。PCR法にて本ウィルスの1型および2型の感染の有無を検討したが、モヤモヤ病で特に感染率が高いということは認められなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M Hoshimaru,J Takahashi,H Kikuchi,I Nagata,M Hatanaka: "Possible roles of basic fibroblast growth factor in the pathogenesis of moyamoya disease: an immunohistochemical study" J Neurosurg. 75. 267-270 (1991)

  • [文献書誌] H Suzuki,M Hoshimaru,J Takahashi,H Kikuchi,N Itoh,M Hatanaka: "Immunohistochemical reactions for basic fibroblast growth factor in arteries of patients with moyamoya disease" (J Neurosurg).

  • [文献書誌] M Hoshimaru H Kikuchi: "Involvement of the external carotid arteries in moyamoya disease: neuroradiological evaluation of 66 cases" (Neurosurgery,1992).

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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