研究課題/領域番号 |
01480358
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森 和夫 長崎大学, 医学部, 教授 (50025540)
|
研究分担者 |
陶山 一彦 長崎大学, 医学部, 医員
栗原 正紀 長崎大学, 医学部, 助手 (50161766)
馬場 啓至 長崎大学, 医学部, 助手 (20133176)
山城 勝美 長崎大学, 医学部, 助手 (10124843)
|
キーワード | Chronic pain / Multiple firing neuron / Thalamus |
研究概要 |
1.動物実験 Lombardらの方法に準じ、一側のC_5からTh_1までの後根を切断したSprague-Dawlyラット約30匹を作成した。ラットは1〜3ケ月後の切断側前肢を噛み切る(automutilation)などの自傷行為を示すが、この自傷行為のみられた時期にflaxedilで非動化、人工呼吸下に視床後腹側核を中心に微小電極を用いてユニットの検索を行った。結果:(1)後腹側核(VP核)を中心に、内側毛帯(Lemniscus medialis)や不確帯(zone incerta)からinterspike intervalが2〜5msecの2〜4連の規則的なburst状に自然発火を示すユニットが記録できた。対照として、無処置ラットにおいて、後腹側核を中心に同様の検索を行ったが、burst状発火は認められなかった。ごく稀に自然多発発火細胞を認めたが、細胞の発火様式は後根切断ラットより得られたユニット発火とは異なり、持続的多発発火の形式を示すことが多く、明らかに発火様式に違いがみられた。(2)後根切断ラットで得られるburst状発火を示すユニット発射は、青斑核や縫線核の条件刺激を行っても、発火様式に変化を示さなかった。(3)Diphenylhydantoinやbarbiturateの投与では、ユニット発火は減少する傾向を示した。(4)これらUnitとWardらのいうtimeーlocked firingを示すepileptic neuronとの発火patternの異同について、現在検討中である。 2.臨床的検討 慢性疼痛患者で、視床知覚核への慢性埋め込み電極留置に先立って、タングステン微小電極を用いて、視床後腹側核(Vc核)を中心にユニット記録を行った。ヒト視床でも2〜5連の高頻度自然発火ユニットが記録できた。これらのユニットのinterspike intervalを検討すると、3〜4msecにpeakを持ち、動物の場合と似た群化放電を示し、この高頻度発火ユニットはVc核を中心に記録できた。
|