研究課題/領域番号 |
01480361
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
戸谷 重雄 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40051205)
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研究分担者 |
高坂 新一 国立精神神経センター, 代謝研究部, 部長 (50112686)
高野 利也 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60051364)
浅田 英穂 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10184144)
中野 幸照 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70172377)
高山 秀一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50171559)
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キーワード | NGF / 遺伝子導入細胞 / 脳内移植 / パ-キンソン病 |
研究概要 |
1、脳植移によるパ-キンソン病の治療に関する基礎的実験として、ヒト神経芽細胞腫株SHーSY5Y細胞をマウス脳内に移植し、異種間脳移植における免疫学的拒絶反応につき検討を行った。BALB/cマウスとヌ-ドマウス脳内にレチノ-ル酸によって分化誘導したSY5Y細胞を移植し比較検討した。その結果、移植細胞の生着率は脳実質内ではBALB/cマウスはヌ-ドマウスとほぼ同じであったが、脳室内移植ではヌ-ドマウスに著明な生着を認めた。一方BALB/cマウスでは移植組織にマウスcytotoxic/suppressor Tーcellに対する抗Lytー2抗体陽性細胞が僅かに認められた。したがって、ヒト神経芽細胞腫株細胞のマウス脳内移植における生着に関して免疫学的拒絶反応の関与があるものの、criticalではない事が示唆された。そこで現在、ドナ-細胞の分化に伴うMHC classI、II抗原性の変化について検討している。 2、βNGF遺伝子導入SY5Y細胞の脳内移植に先駆け、ラット脳内におけるNGFの持続脳室内投与が移植細胞の生着および分化に及ぼす効果を検討した。その結果NGF投与群では8例すべてに生着は良好であり、内5例に抗neuro filament抗体陽性の細胞突起が伸展し分化した形態を示していた。一方、NGF非投与群では7例中3例に生着が見られたが、分化した形態は一例も存在していなかった。以上より、NGFの脳室内投与は、移植細胞の生着向上と神経細胞様への分化を促進する効果が明かとなった。よって、βNGF遺伝子導入細胞の脳内移植についても同様の効果が期待できるものと考えられ、現在βNGF遺伝子をベクタ-(pMAMneo及びpHMT3neo)にトランスフェクトし検討中である。
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