研究課題/領域番号 |
01480364
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
平山 隆三 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10110644)
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研究分担者 |
渡壁 誠 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70182946)
熱田 裕司 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90167924)
安藤 御史 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20101355)
原田 吉雄 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40001937)
竹光 義治 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00038663)
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キーワード | 肘関節 / 筋電図 / 頸髄症 / 上腕二頭筋 / 機能再建 |
研究概要 |
正常肘関節に対する動作筋電図学的検索により、肘運動制御すなわち回内・回外および屈曲・伸展の複合運動制御における肘関節周囲筋筋活動様式が明かとなった。特に肘回外及び屈曲機能を有するbifunctional muscleである上腕二頭筋と肘伸筋である上腕三頭筋との機能的関連が明確となってきている。特に肘屈曲角を固定し、回旋動作を行わせた場合、回旋周期2Hz以上では上腕三頭筋が上腕二頭筋の回外時に発生させる肘屈曲力を打ち消すように活動を開始し肘角度を維持することが明かとなった。そこで、三次元運動計測装置による肘運動の計測を行った。計測器の特性から、肘屈曲角を90度に固定することが最適であった。この計測から、回旋速度増加に伴う肘周囲筋活動様式の変化に追従した肘角度の微小な変動が観測された。これは正常肘一般にみられるものであった。同様の動作分析を当科の頸椎靭帯骨化や頸椎症による頸髄症患者に対して行った。その結果、肘周囲筋筋活動様式および肘角度動揺パタ-ンは共に正常肘に於けるそれらとは異なったパタ-ンが観測された。更に、このパタ-ンを子細に分析すると、これらは神経機構障害様式と画像診断等で判定された障害レベルに対して特異的なものである可能性が示唆されてきた。本年度においては、このような運動障害様式の解明と併行して、頸髄損傷患者の肘機能再建という観点からも検討を加えた。今回の分析手法が腱移植をはじめとする多くの手法に基づく再建後肘機能の客観的評価に有用であることが示され、またこれまで得られた肘運動様式に関する資料は再建計画を構築する上での新しい概念を導入しつつある。
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