研究課題/領域番号 |
01480366
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
見松 健太郎 名古屋大学, 医学部, 講師 (10126906)
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研究分担者 |
岸 精一 名古屋大学, 医学部, 医員
橋詰 良夫 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70106227)
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キーワード | 慢性脊髄圧迫障害 / 脊髄病態 / 骨形成因子 / 実験動物モデル / 脊髄モニタリング |
研究概要 |
慢性脊髄圧迫障害の動物実験モデルを作製することを目的に以下の実験を行った。家兎の第4-5、5-6、6-7腰椎部椎弓の一部を堀削し、各々にBMP(骨形成因子)を移植した。その部の骨形成や脊柱管や脊髄の変化について経時的に著殺し観察した。またケ-ジ外で運動負荷を加え、遅発性運動異常に対して検討した。その結果、脊柱管背側には8〜12週にかけて堀削した椎弓縁と一体となった新生骨を一部に認めた。脊柱管は後弯を呈し、新生骨により前後方向に扁平化した。すなわち慢性脊髄圧迫障害動物モデルの作成がある程度可能となった。運動異常は運動負荷群に多かった。 脊髄の変化は蛋白質、白質共に運動負荷群に多く発生した。脊髄のHE染色では蛋白質は、圧迫があるにもかかわらずほぼ正常と思われるものから、神経細胞の萎縮、角状変形、細胞質の濃染、細胞周囲の空隙を認めるもの等の所見を示した。白質は髄鞘染色で正常と比べ、海綿状化を後索に認めるものがあった。電顕標本による白質の神経繊維の計量的検討では、脊髄が高度に扁平化したものでは前索や後索に変化がみられた。その変化は量的に多数存在する神経繊維の数の減少であった。 現在購入できた脊髄誘発電位記録装置を用い、慢性脊髄圧迫モデルの作成時の脊髄モニタリングや慢性圧迫後の脊髄電位を、頭部、脊髄、坐骨神経などから導出し、正常例と比較している。また数ヵ月後慢性圧迫による組織変化と波形の変化との関係を検討中である。少数ではあるが組織変化がないにもかかむらず脊髄誘発電位の波形の変化がある例を経験した。
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