研究課題/領域番号 |
01480372
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
酒勾 崇 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041295)
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研究分担者 |
増田 明敏 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90219329)
米 和徳 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40182844)
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キーワード | 実験的脊髄損傷 / 脊髄血流量 / 脊髄浮腫 / カテコ-ルアミン / レ-ゲ-ドップラ-血流計 |
研究概要 |
家兎(体重1.5〜2.5kg)を用い椎弓切除の後に第8胸髄高位にて50g重錘で1分間の圧迫を行い、ほぼ2週間で下肢の運動麻痺が回復する脊髄不全損傷モデルを作製した。このモデルを用い、1)脊髄血流の変化の観察、2)脊髄浮腫の観察、3)脊髄内カテコ-ルアミンの変化の観察を経時的に行った。1)脊髄血流量の変化の観察:レ-ザ-ドップラ-血流計を用い損傷部位の血流を損傷後より損傷6時間後まで経時的に測定した。その結果、損傷後血流量は徐々に低下し、損傷1時間後には損傷前の50〜60%に減少し、損傷6時間後までほぼ一定の値をとった。2)脊髄浮腫の観察:乾燥重量法を用いて損傷6時間後までの脊髄内水分含有量を測定した。損傷部位の水分含有量は損傷1時間後には、70.8±0.6%で、非損傷部が68.2±0.3%であるのに対して、有意に増加していた。3)脊髄内カテコ-ルアミンの変化の観察:高速液体クロマトグラフィ-・電気化学検出法を用いて損傷脊髄のカテコ-ルアミンを定量した。その結果、epinephrine13.2±18.7ng/g、Dopamine20.8±3.2ng/g、5ーHT526.1±109.2ng/gであった。 これらの結果より、損傷脊髄は損傷1時間後には微細循環不全をきたし浮腫を形成するものと考える。今後、脊髄円血管透過性の変化を定量的に観察し、さらにこれらの病態に関与すると思われるカテコ-ルアミン等の神経伝導物質の作用について実験を進める。
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