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1989 年度 実績報告書

全身麻酔下でのハイポカプニア時のPaO_2低下の発現機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480379
研究機関帝京大学

研究代表者

印南 比呂志  帝京大学, 医学部, 助教授 (60102240)

研究分担者 岡田 和夫  帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
キーワードHypocapnia / アスピリン / 動脈血酸素分圧 / 肺シヤント率 / 換気@血流不均衡 / 肥満 / プロスタサイクリン / Hypoxic Pulmonary Vasoconstriction
研究概要

BMIが25以上の肥満で非開胸・非開腹手術患者11人を対象に、全身麻酔(GOE)・調節呼吸下でHypocapnia(以下,H)の心拍出量(Qt)と肺シヤント率(Qs/Qt)に及ぼす影響を観察した。PaCO_2をNormocapnia(以下,N)41.5±1.0からH24.5±0.8mmHgに低下させると、PaO_2は103±14から80±15mmHgへと有意に低下した。その際、Qs/Qtは7.2±1.6から14.3±2.1%へ、Qtは5.12±0.32から4.12±0.13L/分へ、それぞれ、有意に変化した、尚、Base Excess(BE)はぼ一定であった。
次に、BMIが25以上の肥満の鼓室形成術患者14人を対象に全身麻酔(GOE)・調節呼吸下でアスピリン(ASA)のプロスタサイクリン(PGI_2)とPaO_2に及ぼす影響を観察した。N時には、ASA(10mg/kg)の投与でPaO_2は130±12から137±14mmHgへ軽度・有意に上昇した。NからHへの変動の際のPaO_2の変化に関しては、ASAの投与前には、PaCO_2が39.6±2.2から27.4±2.1への変動でPaO_2は130±12から95±12へと著明に低下した。しかし、ASA(10mg/kg)の静注後には、N(40.9±3.0)からH(28.2±2.2)への変動でPaO_2は137±14から110±13mmHgへと軽度にしか低下しなかった。つまり、ASAによりHによるPaO_2の低下が抑制された。尚、血中の6ーketoーPGF_<1α>はASAの投与後には19.7±5.3から16.6±3.2pg/mlへと減少傾向を示した。
肥満患者では全身麻酔のさい、FRCが著明に減少し、肺内ではVA/Q比の小さい領域が相対的に多くなっていると推定される。この場合、Hypoxic Pulmonary Vasoconstriction(HPV)が活性化される。一般に、HypocapniaはHPVを抑制するので、本研究でのHによるQs/Qtの増加とPaO_2の低下はHでHPVが抑制されVA/Q不均衡が増強されたためと思われる。又、ASAはHPVを強める事が報告されているが、ASAの投与後にHによるPaO_2の低下が抑制されたのはそのためであろう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Inーnami,K.Misu,S.Tezuka,K.Okada: "The effect of hypocapnia on pulmonary regional blood flow and venous admixture in thoracotomized pigs." Anesthesiology. 71. A1102- (1989)

  • [文献書誌] 印南比呂志,高崎正人,河口太平,岡田和夫: "肥満患者の低血圧麻酔時のPaO_2低下に対するアスピリンの拮抗作用" 第10回日本肥満学会記録. (1990)

  • [文献書誌] 印南比呂志,高崎正人,堀部原生,河口太平,岡田和夫: "PaCO_2正常化のための新しい「呼気再入回路」の臨床応用" 第37回日本麻酔学会総合.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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