研究課題/領域番号 |
01480383
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
田辺 将夫 琉球大学, 医学部・細菌学, 助教授 (30049077)
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研究分担者 |
古謝 静男 琉球大学, 医学部・耳鼻咽喉科学, 助手 (60161923)
早川 正道 琉球大学, 医学部・泌尿器科学, 助教授 (00095639)
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キーワード | 養子免疫療法 / LAK / TIL / 細胞障害性T細胞 / Xー染色体遺伝子産物 / 自己・非自己識別物質 / 腫瘍特異的抗原 |
研究概要 |
1)アイソト-プで標識したLAK細胞をラットに、静注と腹部大動脈内への動注を行い、両群における各種臓器へのアイソト-プの移行を検討した。動注群に於ては、注入部より末梢側の臓器に関して、静注群よりアイソト-プの移行が有意に高く、腎、前立腺、大腿骨、大臀筋へのLAKの移行が確認された。この結果にもとづき、転移性腎細胞癌症例に対するLAK動注を続行し、計7症例に見られた12転移巣のうち、9転移巣に効果が見られた。(早川) 2)LAKやTILを自己腫瘍細胞や他の培養癌細胞と短時間培養することにより、培養上清中に、IFNーγの産生が見られた。また、培養上清を自己マクロファ-ジと培養することにより、マクロファ-ジの腫瘍細胞障害能が増強した。他のインタ-ロイキン(IL)産生能を検討中であるが、これらILが養子免疫療法に於けるキラ-リンパ球の抗腫瘍効果に大きく関与している可能性がある。(早川) 上記1)と2)の結果の要旨は、平成2年11月の日本泌尿器科学会第42回西日本総会の特別講演で発表した。 3)マウスの実験系で、in vitroの細胞障害性T細胞(CTL)誘導の系に骨髄細胞(ヘルパ-作用を持つ)を添加する事により容易に腫瘍抗原(TSA)に対するCTLを誘導出来る系を開発した。CTLによって認識されるTSAがいかなる物質か検討した。リンパ球が自己・非自己識別の対象とするX染色体に連鎖している抗原(我々が既に見出し前年度報告書に記載)との密接な相関を見い出した。腫瘍細胞は、本来の“自己"抗原を消失し、新たに“New自己"を表現する。(田辺、古謝) 上記3)の結果の要旨は、平成2年11月の日本泌尿器科学会西日本総会の招請講演で発表した。
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