• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

尿路感染症における生体防御機構と化学療法の協力

研究課題

研究課題/領域番号 01480384
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

町田 豊平  東京慈恵会医科大学, 泌尿器科学教室, 教授 (50056511)

研究分担者 三谷 比呂志  東京慈恵会医科大学, 泌尿器科学教室, 助手 (80181923)
高見澤 重教  東京慈恵会医科大学, 泌尿器科学教室, 助手 (40179552)
後藤 博一  東京慈恵会医科大学, 泌尿器科学教室, 助手 (90170464)
清田 浩  東京慈恵会医科大学, 泌尿器科学教室, 助手 (30153240)
小野寺 昭一  東京慈恵会医科大学, 泌尿器科学教室, 講師 (50119773)
キーワード尿路感染症 / 生体防御機構 / 化学療法
研究概要

1)尿中における好中球と抗菌剤との協力作用
尿路感染症の際に尿中に遊出する好中球が尿中で抗菌剤とどのような協力作用を有するかを尿中の抗菌剤存在下での好中球殺菌能を測定した。ニュ-キノロン剤を対象薬剤として、ヒト末梢血より分離した好中球を300mOsm/kgの低張尿中で薬剤存在下あるいは非存在下にて好中球を刺激し、その殺菌能をス-パ-オキサイド産生能を指標として測定した。その結果、尿中好中球殺菌能は10μg/mlの薬剤存在下では増強され、100μg/mlの薬剤存在下では逆に抑制された。以上より、尿中の薬剤濃度が高いときには薬剤が起炎菌の殺菌に直接あたるが、薬剤濃度が低下したときには、薬剤は尿中の好中球と協力して起炎菌の殺菌にあたることが示された。(結果は第37回日本化学療法学会東日本支部総会で発表)
2)免疫不全マウスによる実験的尿路感染症の作製と白血球殺菌能の推移
マウスの腹腔に200mg/kgのcyclophosphamideを投与し、その腹腔好中球とマクロファ-ジの数と殺菌能の経時的変動を測定した。腹腔好中球とマクロファ-ジの数はcyclophosphamide投与後4日目で最少となったが、殺菌能も同様に低下した。従って、抗癌化学療法後の免疫不全状態は白血球の数の減少のみならず殺菌能の低下にもよることが明らかとなった。また、免疫不全マウスの片側腎盂に大腸菌あるいは緑膿菌を直接注入し実験的腎盂腎炎を作製した場合、白血球の数の減少と殺菌能の低下に比例して50%lethal doseの減少を認めた。以上の結果より、免疫不全宿主の腎盂腎炎の予後を予測するには白血球の数と殺菌能の測定を行うことが必要と考えられ、現在さらに治療実験を促進中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 三谷 比呂志: "ニュ-キノロン剤の好中球殺菌能に及ぼす影響" 日本泌尿器科学会雑誌. 82. 321 (1991)

  • [文献書誌] 三谷 比呂志: "ニュ-キノロン剤のリン酸緩衝液中および尿中における好中球殺菌能に及ぼす影響" 第37回日本化学療法学会東日本支部総会(1990年11月16日東京).

  • [文献書誌] 後藤 博一: "尿中における白血球殺菌能の検討ー末梢血多形核好中球の尿中におけるス-パ-オキサイド・アニオン(O_2^-)産生能についてー" 日本感染症学雑誌.

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi