研究分担者 |
金子 尚仁 山形大学, 医学部, 助手 (60204559)
佐藤 文彦 山形大学, 医学部, 助手 (90187229)
斉藤 英和 山形大学, 医学部, 助手 (90125766)
藤森 克彦 山形大学, 医学部, 助手 (80165430)
川越 慎之助 山形大学, 医学部, 講師 (10018880)
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研究概要 |
卵の成熟,受精,発育においてエネルギ-代謝は目まぐるしく変化している。グルコ-スがさかんに利用されるのは,8細胞期以後ではあるがそれ以前でも卵細胞内のグルコ-スは変動しており,卵胞が発育している間は顆粒膜細胞よりギャップジャンクションを通してグルコ-スが卵細胞に移動しており,LHサ-ジによりギャップジャンクションが切れることにより卵細胞内グルコ-ス量は急激に減少する。受精により卵のグルコ-ス量は上昇し,さらに4細胞期まではゆっくりとして上昇カ-ブを示し,8細胞期以後は急激な上昇を示す。2細胞期に高濃度(0.5モル)のシュ-クロ-スを含む培養液に長時間(50分)培養するとその後の胚の発育が遅延する。この遅延は核,または細胞質レベルでの影響であると考えられるわけではあるが,核への影響の鋭敏な指示である姉妹染色分体交換を用いて検討すると,シュ-クロ-ス暴露群と非暴露群との間には有意な差を認めなかった。細胞質での影響を検討するために,この2細胞の時期に活性を徐々に増加させており,解糖系の入口に酵素であるヘキンキナ-ゼについてその活性を検討した。暴露直後の活性は暴露群と非暴露群との間に有意な差を認めなかったが,暴露後36時間培養後のヘキンキナ-ゼ活性は,暴露群でやや低い傾向を認めた。また細胞内グルコ-ス量について検討すると,暴露直後では,両者間に有意な差を認めないが,暴露後36時間後の卵細胞内グルコ-ス含有量な暴露群の方が非暴露群に比較し有意に低値を示し,発育が遅延していることが示された。また,体外において卵を囲んでいる透明帯は卵発育に影響を及ぼしているかどうか,透明帯に裂け目を形成しその影響を検討した。裂け目を形成した群,裂け目のない群との発育の変化は裂け目形成群が早めにハッチングする傾向があった。しかし裂け目形成20時間後のヘキソキナ-ゼ活性,G6PDH活性には,両者間に差を認めなかった。
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