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1990 年度 実績報告書

子宮頚癌のヒトパピロ-マウイルスによる発癌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 01480388
研究機関千葉大学

研究代表者

高見沢 裕吉  千葉大学, 医学部, 教授 (60009107)

研究分担者 布山 隆史  千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (90228271)
岩崎 秀昭  千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (60124244)
関谷 宗英  千葉大学, 医学部, 助教授 (00092065)
キーワード子宮頚癌 / ヒトパピロ-マウイルス / 発癌 / 形質転換 / 遺伝子クロ-ニング / ヒトケラチノサイト / 遺伝子導入
研究概要

子宮頚癌は婦人科癌のなかで最も頻度の高い癌であるが、その発癌機構は不明である。近年、DNA腫瘍ウイルスであるヒトパピロ-マウイルス(HPV)が、子宮頚癌の発癌に関与している可能性を示唆する証拠が得られてきている。しかしながら、本邦におけるHPVの検出率が低率であることなど、子宮頚癌発癌への関与に疑問が残されている。そこで、臨床並びに基礎の両サイドからHPVが発癌の原因ウイルスであるか否かを再検討することを目的として本研究を行った。
1.子宮頚部病変におけるHPVの疫学:子宮頚癌およびその前癌病変と考えられる異形成において、low stringentサザンブロット法により既知のHPV型及び未同定HPVがそれぞれ80/119(67%)、14/119(12%)、計94/119(79%)に見いだされた。更に未同定HPVには少なくとも12種類が見いだされ、多様性が伺われた。
2.HPVゲノムDNAのインビトロ発癌性:子宮頚癌細胞株に組み込まれたHPV16DNAを隣接する宿主DNAと共にクロ-ニングし、これをマウスBalb/3T3およびヒトケラチノサイトにトランスフェクションし、形質転換能を調べた。Balb/3T3では、形質転換細胞が得られたが、ヒトケラチノサイトでは、形質転換細胞は得られなかった。更に、HPV16マウス形質転換細胞に対して、TPA、グルココルチコイドが軟寒天におけるコロニ-形成率を促進することが明かとなった。以上、子宮頚部病変、特に異形成で、高頻度にHPVが検出されたことから、HPVの子宮頚癌発癌への関与が強く疑われた。インビトロでの発癌性の検討から、子宮頚癌発癌は多段階であり、HPVによる形質転換には、コファクタ-が必要であろうことが推測された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hiroshi Shirasawa: "Structure and expression of an integrated human papillomavirus type 16 genome amplified in a cervical carcinoma cell line." Journal of general Virology. 70. 1913-1919 (1989)

  • [文献書誌] Takafumi Nunoyama: "Transforming activity of human papillomavirus 16 DNA." Acta Obstetrica et Gynaecologica Japonica. 43. 38-44 (1991)

  • [文献書誌] 角田 治美: "子宮頚部前癌病変におけるヒトパピロ-マウイルスのlow stringent hybridizationによる検索。" 医学のあゆみ. 152. 119-120 (1990)

  • [文献書誌] 岩崎 秀昭: "第二世代HPV検出キットVira Type(Dot blot法)の有用性。" 産婦人科の世界. 42. 167-173 (1990)

  • [文献書誌] 白澤 浩: "HPVの発癌因子としての可能性。" 日本婦人科病理・コルポスコピ-学会誌. 7. 56-67 (1989)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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