研究課題/領域番号 |
01480394
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
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研究分担者 |
大橋 一友 大阪大学, 医学部, 助手 (30203897)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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キーワード | 胞状奇胎 / 絨毛癌 / ミニサテライトDNAプロ-ブ / DNA指紋 / サザンブロットハイブリダイゼ-ション / ノ-ザンブロットハイブリダイゼ-ション / MCSF / c-fms |
研究概要 |
胞状奇胎7例、絨毛癌3例の腫瘍組織、患者、患者の夫の末梢血由来単核球より高分子DNAを抽出した。抽出DNAを制限酵素HinFIで切断後、1%のアガロ-スゲルに電気作動した。ミニサテライトDNAプロ-ブ33.15を用いて、サザンブロントハイブリダイゼ-ションを行い、-80℃で約48hrオ-トラジオグラフィ-を行い、腫瘍組織、患者、患者の夫の間でDNA指紋を比較した。その結果以下のことが明らかとなった。 1)胞状奇胎のDNA指紋を構成する総てのハンドは夫由来であり、更に夫のハンドのいくつかのものは胞状奇胎において認められなかった。これは胞状奇胎の発生病理が脱核した卵と正常精子の受精による「雄核発生」を分子レベルで証明するものである。 2)3例の絨毛癌のDNA指紋のうち1例は胞状奇胎と同様に総てのバンドは夫より由来していたが、2例は総てのバンドは患者のものと一致した。これは絨毛癌の発生病理が胞状奇胎と同じものと、患者の胚細胞由来の2種類存在する事を示すものである。 妊娠各期の絨毛細胞、子宮内膜、子宮筋、胞状奇胎組織、絨毛癌組織よりpoly(A)_+RNAを抽出、MCSF、c-fmsのcDNAをプロ-ブに用いてノ-ザ-ブロッティングにより、MCSFとc-fmsの発現の解析を進めている。現在、絨毛細胞、妊娠中の子宮内膜、絨毛癌細胞にMCSF、c-fmsのmRNAが発現し、その発現がプロゲステロン、エストロゲンによりコントロ-ルされている事を確認している。現在更にその他の成長因子、それらの受容体の発現について研究を進めている。
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