研究課題/領域番号 |
01480395
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
青野 敏博 徳島大学, 医学部, 教授 (50028445)
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研究分担者 |
東 敬次郎 徳島大学, 医学部, 助手 (20192958)
苛原 稔 徳島大学, 医学部・付属病院, 助手 (20160070)
山野 修司 徳島大学, 医学部・付属病院, 講師 (30166772)
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キーワード | 体外受精・胚移植 / 過排卵誘発法 / 血中・ホルモン測定値 / GnRHーhMGーhCG療法 |
研究概要 |
体外受精・胚移植法の過排卵誘発法として、昨年度の検討からクロミフェンーhMGーhCG療法と比較してGnRHーhMGーhCG療法は妊娠率が高く、また管理も容易であるなど、有用性が高いことが判明したので、本年度はGnRHーhMGーhCG療法に焦点を絞り、各種内分泌環境および受精率・分割率を詳細に検討した。 GnRHーhMGーhCG療法を用いた体外受精・胚移植法の妊娠率は約20%であった。この際の各種内分泌環境を検討すると、血中LHFSH、PRL値は卵胞期、排卵前期、hCG投与日、胚移植日のいずれの時期においても妊娠群、非妊娠群の間に差はなかった。また受精率・分割率にも有意差はなかった。一方、血中エストラジオ-ル(E_2)値が170pg/mlを越えた日をE_2の初期上昇日とすると、E_2の初期上昇日が月経周期の6〜8日目にある群では妊娠率が38.5%であるのに対して、月経周期の3〜5日目にある群では6.9%と有意(p<0.01)に低いことがわかった。また、hCG投与分での血中プロゲステロン(P_4)値は、妊娠群の0.4±0.1ng/mlに比較して、非妊娠群は1.3±0.3ng/mlと妊娠群ぶ有意に(p<0.01)に低かった。このことは過排卵誘発時のE_2とP_4の推移が妊娠率に重要な影響を及ぼしていること、また体外受精・胚移植法の過排卵誘発法として有用性が高いと考えられるGnRHーhMGーhCG療法においても投与方法に改善の余地があることを示している。 一方、このGnRHーhMGーhCG療法を無排卵婦人の排卵誘発に応用したところ、特に血中LHが高い多嚢胞性卵巣症候群患者で、排卵率、妊娠率には差がないものの、hMGの副作用としての卵巣過剰刺激症候群の発生率が低いことがわかり、多嚢胞性卵巣症候群患者の排卵誘発に有用であることが判明した。
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