研究課題/領域番号 |
01480397
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
八神 喜昭 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20079974)
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研究分担者 |
国松 已歳 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70145746)
青木 耕治 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50175725)
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キーワード | 習慣流産 / 子宮内膜症 / 抗リン脂質抗体 / 抗GM3抗体 / ELISA / ステロイド・アスピリン治療 |
研究概要 |
1)子宮内膜症患者と抗リン脂質抗体との関係について検討した。腹腔鏡検査により子宮内膜症と診断された患者の血清と腹水について抗リン脂質IgG及びIgM抗体をELISA法(マイクロプレ-トリ-ダ-を使用した)にて測定し、対昭例と比較分析した。その結果、子宮内膜症患者のうち、11.4%に抗リン脂質抗体が異常高値を示した。これらの症例では腹水中にも抗リン脂質IgG抗体が検出され、子宮内膜症と抗リン脂質抗体との密接な関係を証明することができた。 2)リン脂質と同様に細胞膜を構成している糖脂質ーとくにGM3ーに対する自己抗体が流産に及ぼす影響について検討した。血清中の抗GM3抗体測定のためのEL1SA法を確立した。この新しい方法を用いて、健常婦人と妊婦46例の抗GM3抗体を測定し正常上限値(mean+3SD)を定めた。反復物産患者(抗リン脂質抗体陽性症例を含む)58例中,15例(26%)に抗GM3抗体が正常上限値以上の高値を示した。又この内14例は、抗リン脂質抗体も陽性であった。この2種類の抗体が重複して高値であった症例では、妊娠中にステロイドーアスピリン療法を行なっても、半数(50%)が再度流産をおこしており、抗GM3抗体の存在が、細胞膜上のリン脂質と抗リン脂質抗体との反応性に何らかの正の影響をもつことが示唆された。
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