研究課題/領域番号 |
01480399
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
木下 勝之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80010354)
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研究分担者 |
飯野 好明 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20211021)
高田 眞一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00211334)
関 博之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20179328)
石原 理 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70176212)
竹田 省 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20143456)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 脱落膜細胞 / PGE_2 / サイクロオキシゲナ-ゼ / ILーl / アラキドン酸 / 12ーHETE / マクロファ-ジ / PG合成阻害物質 |
研究概要 |
ヒト子宮内膜と脱落膜で産生されるプロスタグランディン(PG)が、着床と妊娠維持機構に重要な役割を演じていることから、脱落膜におけるアラキドン酸代謝調節機構の一端を明らかとした。(1)ヒト子宮内膜では分泌期に、PGE_2の産生が、また、月径前ではPGF_<2α>の産生が増加する。しかし脱落膜ではPGE_2,PGF_<2α>の産生が阻害される。(2)脱落膜におけるPG合成酵素阻害物質を証明し、その部分精製を試みた。この物質は約55KD〜60KDの蛋白であることが明らかとなった。(3)ヒト脱落膜を酵素処理後にパ-コ-ル非連続濃度勾配遠心法を用いて、濃度20%分画に,脱落膜細胞のみを分離し、他のマクロファ-ジ・Tリンパ球を除く、脱落膜細胞培養系を確立した。(4)脱落膜細胞とマクロファ-ジを分離し、ともにサイクロオキシゲナ-ゼの存在を証明した。(5)脱落膜細胞の培養系にILーlを添加すると、PGE_2の産生とサイクロオキシゲナ-ゼの誘導が認められた。(6)3Hーアラキドン酸を細胞外に添加すると、脱落膜細胞はサイクロオキシゲナ-ゼ代謝産物であるPGを産生するが、細胞内に取り込まれたアラキドン酸からは、主にエポキシゲナ-ゼ代謝産物が同定された。(7)脱落膜細胞とマクロファ-ジは15ーketoーdehydrogeneseと13,14ーreluctaseを持っているため、PGは、各細胞で、代謝されることが明らかとなった。(8)脱落膜は12ーHETEを産生するが、エストロゲンの影響を受ける可能性が示唆された。以上、脱落膜細胞におけるアラキドン酸代謝は、内在するサイクロオキシゲナ-ゼ阻害物質や、ILーlで調節されており、脱落膜に存在するマクロファ-ジやリンバ球で産生されるサイトカインの役割の一つに脱落膜細胞のアラキドン酸代謝への調節の可能性が明らかとなった。
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