研究課題/領域番号 |
01480400
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
牧野 恒久 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 専任講師 (30085758)
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研究分担者 |
酒井 淳 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (00196031)
杉 俊隆 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (70196707)
原 崇文 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (30189683)
岡 親弘 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (20185408)
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キーワード | 自然流産 / 習慣流産 / 抗カルジオリピン抗体 / 抗リン脂肪抗体症候群 / Chemical Abortion / 先天性子宮奇形 |
研究概要 |
反復する自然流産の原因は多岐にわたり、内分泌学的、免疫学的あるいは遺伝学的な要因も含めて総合的な検索が必要となる。 本研究では当年度以下の項目を中心に研究を行った。その第一は反復する自然流産患者の実態・統計の把握とした。その結果900名の登録者の流産回数・年令分布、見い出され異常項目などを検討した。これらの母集団の平均流産回数は2.9回、年令は30〜35歳の層にピ-クを認めた。見い出された異常の主なものとして、先天性子宮奇形125名(15%)、夫婦いずれかの染色体異常54組、抗カルジオリピン抗体陽性率約10%、いわゆるChemical Abortionと思われるもの8%、免疫治療の対象者383名となった。本年度の研究の第二は上記の異常の中で先天性子宮奇形の流産の機序を組織学的に検討し、形成術の改良を試みた。さらに超早期の流産すなわちChemical Abortionの実態に関しては、従来のRIA法に変えて第二世代のradiometric assayを用いることにより、着床期周辺のホルモン動態とくにCGに関してLHの影響を受けない測定法を用いて検討した。抗リン脂肪抗体症候群についてはHarrisの標準血清を用いた特異性の高い抗カルジオリピン抗体検出法を設定して、その陽性患者の診断と効果ある治療効果を得た。習慣流産の免疫療法については、383例の本治療法を用いて225例の妊娠成立をみ、80%以上の妊娠維持効果を得た。基礎的検討として、母体血中のいわゆる遮断抗体の消長やリンパ球サブセットの検討を行った。 反復する自然流産の原因には多くのものが関与するが、本研究の初年度は複数の原因解明に向け研究を開始した。なお初年度の研究の一部は第41回日産婦総会の教育講演として報告した。
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