研究課題/領域番号 |
01480402
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
武田 佳彦 東京女子医科大学, 産婦人科, 教授 (00033069)
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研究分担者 |
岩下 光利 東京女子医科大学, 母子総合医療センター, 講師 (30124936)
仁志田 博司 東京女子医科大学, 母子総合医療センター, 教授 (80104553)
中林 正雄 東京女子医科大学, 母子総合医療センター, 教授 (70114585)
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キーワード | 核磁気共鳴スペクトロスコピ-(MRS) / 高エネルギ-燐酸結合 / 脳エネルギ-代謝 / 胎盤のアミノ酸輸送 / ソマトメジン(IGFー1) / ソマトメジン結合蛋白(IGFーBP) |
研究概要 |
エネルギ-代謝系の無侵襲的連続計測法については新生仔家兎を用いて10%酸素吸入による低酸症状態を作成し、低酸素性負荷前後ならびに回復過程のエネルギ-代謝をATP、ADP、AMP、クレアチン燐酸(PCr)、無機燐(Pi)を測定した。低酸素負荷により新生仔のATPPCrの減少、Piの増加が認められ、負荷後120分の回復過程ではATP、PCrの回復を定量的に測定することが出来た。またPiの化学シフトより細胞内PHの測定が可能であり、細胞内PHの変動も連続観察したが、高エネルギ-燐酸結合物質の回復よりも細胞内PHの回復に遅延が認められた。以上のことより細胞内代謝環境についても追求する必要のあることが明らかになった。 絨毛細胞を用いたソマトメジン(IGFー1)については妊娠初期の10週絨毛と妊娠末期の40週胎盤とについて単離培養を行った。初期絨毛細胞ではHCG分泌、末期絨毛細胞ではhPLの分泌を指標として、IGFー1の効果を見たが、いずれも容量依存性にホルモン分泌が促進された。また末期絨毛細胞に対しては胎児への物質輸送に関連して、放射性グリシンを用いてアミノ酸取り込みに対する効果を検討した。IGFー15ng/mlから50ng/mlの範囲で容量依存性にアミノ酸取り込みが増加した。さらにこの効果の作動機構を解明するためにソマトメジン結合蛋白(IGFーBP)を精製し、IGFー1刺戟下でIGFーBPを添加したところ、容量依存性にアミノ酸とり込みが抑制されるのを確認した。またI^<125>標識IGFー1を用いて細胞膜でのレセプタ-への結合とIGFーBPによる阻害を確認した。 胎盤でのIGFー1の作用は物質輸送を介して胎児発育、胎児予備能構成に重要な意義をもつと考えられ、周産期適応の基礎的背景を構成するものとして追求したい。
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