研究課題/領域番号 |
01480402
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
武田 佳彦 東京女子医科大学, 医学部・(産婦人科), 教授 (00033069)
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研究分担者 |
岩下 光利 東京女子医科大学, 医学部・(母子総合医療センター), 助教授 (30124936)
仁志田 博司 東京女子医科大学, 医学部・(母子総合医療センター), 教授 (80104553)
中林 正雄 東京女子医科大学, 医学部・(母子総合医療センター), 教授 (70114585)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 胎児・新生児の糖利用 / 胎盤の物質交換機能 / IGFI,IGFBP / アンチトロニビンIII / マルトース,ヘパリン療法 / マルトース代謝 / 脳内エネルギー代謝 / 低酸素症,IUGR |
研究概要 |
周産期適応におけるエネルギー代謝系の適応は解糖系に大きく依存する。そこで本研究では胎児期における糖供給の機構,新生児期における糖利用の動態、低酸素症における脳内エネルギー代謝を中心に検討した 胎児への糖供給では胎盤通過性を胎盤循環,絨毛機能から評価した。胎盤循環では胎内発育障害を対象に血液凝固系の亢進が胎盤での物質交換の大きな阻害要因であることを明らかにし、マルトースをとした糖供給にヘパリン投与さらにはアンチトロンビンIIIの併用により胎児発育を促進し、エネルギー代謝予備能を向上させることを明らかにした。 さらに胎盤での糖輸送について生長因子の関与を細胞内代謝では絨毛一脱落膜でのautocrine paracrine調節等の存在を明らかにし、免疫学的手法及びトレサー実験を組合せてIGF-1の糖アミノ酸輸送の促進効果とその機節を明らかにし、IGF結合蛋白の作用抑制によって胎児の発育・成熟に対する驚異的な促進効果のあることを初めて明らかにした 新生児適応における糖利用については、マルトースのエネルギー代謝基質としての意義を非放射性同位原素を用い、呼気中のC^βを測定することで検討した。マルトースもグルコースと同様エネルギー代謝基質となることを確認したが、腎からの排泄のため利用効率は必ずしも高くなかった。 一方エネルギー代謝障害について低酸素症モデルにより脳内エネルギー代謝と脳波との関連を追求した。低酸素性負荷によりATP、CrPは減少し、Pならびに細胞内Hイオンは増加し、脳波は徐波成分が増加するが、負荷解除後の回復過程ではATP、CrPは比較的順調に回復するのに対して、細胞内PHならびに脳波の改善が遅延することを明らかにした。周産期適応におけるエネルギー平衡維持に糖供給の円滑化が不可欠でありその利用効率の促進は代謝環境に依存することが明かとなった
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