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1990 年度 実績報告書

妊娠時免疫が児(仔)の能動免疫能へ及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 01480403
研究機関金沢医科大学

研究代表者

山口 宣夫  金沢医科大学, 血清学教室, 教授 (10106916)

研究分担者 清水 昌寿  金沢医科大学, 血清学教室, 講師 (30150759)
山田 燦  金沢医科大学, 小児科学教室, 講師 (70102035)
キーワード母子免疫 / 妊娠 / 感染 / 抗体産生 / 能動免疫抑制 / 抑制性細胞
研究概要

私達は妊娠直前または妊娠中に母親を免疫すると、仔動物の能動免疫能には種々の影響が及ぶことを報告してきた(Immunology 50,1983,Scand.J.Immunol.20.1984,Dev.Comp.Immunol.12.1988)。従来、妊娠中に母親が抗原刺激を受けると、新生児には母親より移行抗体が伝達され、それが代謝されるまでの間、児の抗体産生は開始されないとする報告が多い。私達は綿羊赤血球(SRBC)及び卵白アルブミン(OVA)等のT細胞依存性抗原で妊娠マウスを免疫すると仔の能動免疫は生後長期間に亘り完全に抑制されることを報告してきた。
平成2年度において得られた成績として母親に体液性免疫及び細胞性免疫の誘導状態を各々分離させ、仔の能動免疫能への影響を検討した。仔に抑制を誘導する妊娠マウスのリンパ球集団を同定するため、細胞移入実験によりいくつかの解析を行った。妊娠マウスにSRBCを腹腔内刺激し、6日後に、脾臓あるいは腹腔滲出細胞よりリンパ系細胞集団(Tリンパ球、Bリンパ球、Mφ)を調生し、無刺激妊娠マウスに移入した。レシピエント妊娠マウスが出産した仔マウスを、6週令まで育て、PFC産生能あるいは細胞性免疫について調べた。Tリンパ球の移入を受けたレシピエント妊娠マウスの仔動物において、強い抑制が観察されたことから、妊娠期間中のTリンパ球の状態に着目した。細胞性免疫のみを誘導された妊娠マウスTリンパ球を移入された妊娠マウスの仔は、細胞性免疫は抑制されたが、抗体産生は部分的な抑制を受けたのみであった。抗体産生を至適に誘導された妊娠マウスのTリンパ球を移入されたレシピエント妊娠マウスの仔は、細胞性免疫及び抗体産生の両者において抑制を受けた。妊娠マウスにおいて、仔に細胞性免疫を抑制する亜集団と抗体産生を抑制する亜集団とは異なるのかも知れない。現在、妊娠マウスのどのTリンパ球サブセットが仔に抑制をもたらすか検索中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Koshimo,H.,Yamaguchi,N.,et al.: "Maternal antigenic stimulation actively produces suppressor activity in offspring." Developmental and Comparative Immunology. 13. 79-85 (1989)

  • [文献書誌] Yoshida,J.,Takamura,S.,Yamaguchi,N.,et al.: "Antitumor activity of an extract of Cordyces sinensis (Berk) Sace.against murine tumor cell line." Japan.J.Exp.Med.59. 157-161 (1989)

  • [文献書誌] Yamaguchi,N.,Yoshida,J.,Koshimura,S.,et al.: "Augmentation of various immune reactivities of tumorーbearing host with extracts of Cordyceps sinensis (Berk) Sacc." Biotherapy. 54. 199-205 (1989)

  • [文献書誌] 藤井 優司、山口 宣夫他: "妊娠時の母体に誘導される免疫応答と仔動物の能動免疫系に対する影響ー体液性免疫と細胞性免疫の抑制様式ー" 金沢医科大学雑誌. 14. 481-486 (1989)

  • [文献書誌] 西東 利男、倉茂 達徳,山口 宣夫: "図解免疫学" 西村書店, 450 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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