研究課題/領域番号 |
01480406
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
増田 游 岡山大学, 医学部, 教授 (90033414)
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研究分担者 |
田村 耕三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (80188432)
西崎 和則 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (90180603)
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キーワード | ビタミンA / 催奇形 / 全胚培養 / 器官培養 / 回転培養 / 中耳発生 |
研究概要 |
1)ラットによる催奇形実験 前年度に前胚培養による13ーCisーretinoic acidを培養液に添加することによる催奇形実験系の条件設定ができたので、これを用いて更に対家胎仔数を加えて実験を追加した。その結果、Wistar系ラット12日目胎仔を、ラット非働化血清にretinoic acidを10^<-4>Mの濃度に加えた培養中で37℃24時間回転培養、生存胎仔の外表を観察、また組織を光顕的、電顕的に検討した。その結果、耳管咽頭嚢近くの表皮下細胞中に、多数のエオジン濃染顆粒をみた。また耳管咽頭嚢周囲の間葉細胞中にも、同様の顆粒をみとめ、これがライソゾ-ムの増加であると解った。 2)マウスによる器官培養実験 われわれが、かつてマウス器官形成期胎仔の聴器領域の器官培養を試み、中耳発生を二次元的に進行さすことに成功したが、これは形態的には正常発生を得たとはいえず、単に組織発生、細胞発生的な観察しかできなかった。重力の影響を少なくし、胎内発生と同様な環境下で三次元的立体的に器官発生過程を観察し得ると考えられる回転培養法を応用して、その実現を試みた。 13日目ICRマウス胎仔の聴器領域を切出し、BGJb培養液内で毎分20回転で培養した。in vivoの13日目と15日目のマウス胎仔を比較対象のためのコントロ-ルとして、次の結果を得た。 48時間培養で、耳小骨の分化発達が確認された。それはin vivoでの15日目胎仔の耳小骨形態と略一致した組織発生を示した。また、アブミ骨動脈は培養後に観察されなかった。また内耳は、in vivoのものと比べて、むしろそれ以上の組織学的発生段階を示した。 以上から、回転器官培養を行うことにより、中耳発生もより正常な形態的発育下に観察し得ることが解り、今後の研究に有用と結論した。
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