研究課題/領域番号 |
01480410
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
村上 泰 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20095657)
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研究分担者 |
安田 範夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00182337)
久 育男 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50181087)
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キーワード | 頭頚部扁平上皮癌 / サイトケラチン・サブクラス / 癌巣周囲膜4型コラゲン / S期細胞標識率 / 免疫組織染色 / 唾液腺導管サテライト細胞 |
研究概要 |
頭頚部癌生檢組織から、その増殖特性についてのより多くの情報を得ることにより、治療にフィ-ドバックしてより良い成績をあげることを目的として、免疫組織学的に研究し、めざましい成果をあげることができた。 1.腫瘍細胞構成蛋白について サイトケラチンの13種のサブクラスについてのモノクロ-ナル抗体を用いて研究し、粘膜上皮の異型上、癌化に伴う特徴的発現性変化を発見した。癌の分化度に応じて発現性の異ることを発見し、逆にその発現性から分化度を客観的に判定する方法を確立した。 唾液腺腫瘍の発生起源を確定することを目的として正常唾液腺組織構成細胞について同称の研究を行い、発生母地と考えられる“導管サテライト細胞"の存在をつきとめることに成功した。 2.増殖活性について BrdU取込み法によりS期細胞標識率を算定し、これが臨床上如何なる意義を有するかについて研究し、粘膜下不可視病変の拡がりと正の相関を有することを発見し、切除範囲決定に直接役立てることができた。照射化学療後の残存腫瘍でも活発な増殖能を有することを確認し、これら治療における長期担癌状態が転移の可能性を大きくしていることを確認した。 3.転移能について 癌巣周囲膜4型コラゲンの発現性と頚部のリンパ節転移について研究し、連続性をもつものでは頚部転移はまずマイナスであるのに対して、発現性のないものでは高頻度に転移を伴うことを発見し、それによって予防的頚部郭清術の適応を判断しうるものと結論した。 以上、微小な生檢組織から臨床上重要な多くの客観的情報が得られることを確認することができた。
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