研究課題/領域番号 |
01480424
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
寺島 達夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (20114770)
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研究分担者 |
大迫 正文 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60152104)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
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キーワード | 歯胚 / 器官培養 / エナメル質形成 / 免疫組織 / 象牙質形成 |
研究概要 |
1.歯胚成分を抗原とした抗体の作製においては、生後4日齢〜1週齢のマウス臼歯歯胚および生後1〜2週齢までのラットの切歯歯胚を抗原として用い、ウサギに免疫することにより、歯胚および歯胚の各成分に対する抗体を作製した。これらの抗体の性質に対しては、現在免疫学的、免疫組織学的に現在検討している状況である。 2.生体内発育歯胚および培養歯胚におけるエナメルタンパク質の出現時期に関する観察では、ウシのエナメルタンパク質に対する抗体を用いて、光顕的には酵素抗体法および蛍光顕微鏡を用いた蛍光抗体法により、生体内発育歯胚では出生直後に、胎生16.5日齢の臼歯歯胚を培養すると培養8日目にエナメルタンパク質が形成され、免疫電顕的には生体内発育歯胚では胎生18.5日齢に、培養歯胚では培養6日目に、前エナメル芽細胞直下の基底板が断裂し、不連続となる時期に一致してエナメルタンパク質が出現することが観察された。 3.再構成歯胚におけるエナメル芽細胞の分化、発育にともなう形態学的観察では、胎生16.5日齢のマウス歯胚の酵素処理により、上皮成分と間葉成分とに分離した後に再び組み合わせて培養すると、通常の培養歯胚と比べ再構成歯胚では約4日間の発育の遅延が認められた。しかし、それ以降の歯胚の分化発育過程は通常の培養歯胚のそれと一致していた。また、異なった発育時期の歯胚における再構成実験は現在検索中である。 4.培養歯胚の象牙質形成における培養条件の影響に関しては、培養歯胚ではエナメル質形成が進み、石灰化が進行すると、象牙芽細胞の変性および消失がみられ、象牙質の形成が停止することが認められた。さらに、培養条件として培地(BGIb、IDEM、DMEM)、酸素分圧(25%、50%)、添加物(血清濃度、アスコルビン酸濃度、成長因子やホルモン添加)などを変化させても、象牙質形成に顕著な影響は認められなかった。
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