研究課題/領域番号 |
01480438
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 春生 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (10084716)
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研究分担者 |
高橋 俊介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60206810)
冨川 重治 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40197918)
塗々木 和男 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90139577)
岡部 栄一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (50097276)
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キーワード | 微小循環 / エンドトキシン / 口腔 / 内因性血管作動物質 / 内皮細胞 |
研究概要 |
ハムスタ-・チ-クポ-チ微小循環系を用い、in situでLPSの作用メカニズムの検討を行なった。そしてハムスタ-の口腔に近い摘出頚動脈(600μm前後)の内皮細胞とLPSの関連についても検討した。これまでの研究経過は以下のように要約できる。 1.LPSは微小血管を二峰性に拡張させた。 2.最初の拡張(initial peak dilatation)は、低濃度(0.1mg/m1)ではarteriole(A_2)に、高濃度(1.0mg/m1)では、terminal arteriole(A_3)に最も強く認められた。 3.二番目の拡張(secondary peak dilatation)では、低濃度(0.1mg/m1)の適用でA_2〉A_1〉A_3、中濃度(0.5mg/m1)でA_1〉A_2=A_3、高濃度(1.0mg/m1)でA_3〉A_2〉A_1の順に反応感受性が高かった。 4.以上の結果から、LPSの0.1mg/m1は、arterioleの最大拡張をもたらし、さらにそれより高濃度ではterminal arterioleを通じてarterioleとvenuleを短絡させるため、arterioleの拡張性はむしろ低下することが示唆された。 5.このようなLPSの効果は、少なくとも内皮細胞が機能しているレベルの血管では、内皮細胞を除去することにより消失する。 6.LPSの効果は、内皮細胞依存性に、lipoxygenase活性を増大させることによってもたらされる可能性がある。またLPSはcyclooxygenase系にさほど影響を与えるものではない。 以上の結果から、LPSの循環系に対する効果は、内皮細胞との相互作用に、強く依存していると結論づけられた。
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