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1990 年度 実績報告書

顎口腔系のMRI,三次元咬合力および筋電図同時分析による顎関節症の本態究明

研究課題

研究課題/領域番号 01480444
研究機関東北大学

研究代表者

渡辺 誠  東北大学, 歯学部, 助教授 (80091768)

キーワード三次元咬合力 / 咬筋 / EMG / 顎関節症 / 運動単位
研究概要

顎関節症の筋症状はすべての咀嚼筋に発現するが、その様式は一様でない。本研究の目的である顎関節症の本態究明には、各咀嚼筋の形態と機能に渡る詳細な知識が必須である。
咬筋は顎関節症の筋症状が頻発するため、本疾患の本態究明にとりわけ重要と思われる。一方、本筋は複雑な層構造や不均質な組織化学的筋線維構成を有し、その機能は筋各部で相違すると推察される。そこで、本年度は咬筋活動をより詳細に検討する目的で、顎口腔系に機能異常を認めない正常有歯者3名に三次元咬合力測定装置を応用し、クレンチング時の咬合力の大きさと方向を種々に変化させながら咬筋運動単位の活動を導出し、以下の知見を得た。
運動単位活動は、咬合力の大きさと方向に依存して変化し、各運動単位は、活動を示す固有の咬合力方向の範囲(活動範囲)を有した。活動範囲の広さと運動単位の発火閾値には、負の相関が認められた。活動範囲の広がりや、その広さは個々の運動単位で異なるものの、前方ないし記録側の対側方を活動範囲に含む運動単位の割合は高く、後方ないし記録側と同側方を範囲に含む運動単位の割合は低かった。
運動単位の活動範囲は記録部位で異なり、前部および深部の運動単位で広く、浅部で狭い傾向が認められた。運動単位の活動範囲の相異は、前後的記録部位間と比較し内外側的記録部位間で著明であった。
以上の結果より、種々の咬合力方向の発現に際して、咬筋各部は異なる機能的役割を果すことが明らかになった。また、咬筋の内外側的部位間の機能的の相違が前後的部位間に比較して著明であるのは、咬筋の層状構造を反映するものと考察された。本研究で得られた知見は、咬筋各部に見られる圧痛の発現機序を解明するうえで、重要であるものと思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 服部 佳功: "三次元咬合力のリアルタイム測定" 顎機能. 8. 45-50 (1990)

  • [文献書誌] 菊池 雅彦: "三次元咬合力と咀嚼筋EMGの動態" 顎機能. 8. 111-118 (1990)

  • [文献書誌] 菊池 雅彦: "三次元咬合力と咀嚼筋活動に基づくバイオメカニクス" 補綴誌. 34.84. 135 (1990)

  • [文献書誌] 服部 佳功: "三次元咬合力に基づく咬筋の機能的分化に関する研究" 東北大歯誌. 10. (1991)

  • [文献書誌] Kikuchi,M.: "Threeーdimensional bite force and associated masticatoory muscle activities." J Dent Res. 70. (1991)

  • [文献書誌] Hattori,Y.: "Motor unit behavior to threeーdimensional bite force in human masseter." J Dent Res. 70. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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