研究課題/領域番号 |
01480445
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松元 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (40013875)
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研究分担者 |
岡部 良博 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30194385)
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キーワード | 部分的歯牙欠損症 / パ-シャルデンチャ- / 咀嚼筋活動 / 補綴処置効果判定 / 形態学的診断要素 / 残存歯欠損部顎堤対咬指数 |
研究概要 |
本年度は下顎両側性に大臼歯部が遊離端欠損し後方の咬合支持を喪失した症例と、同条件が一致する症例群を診査対象として同一条件で設計型作された部分床義歯により補綴処置を行い、その術前、義歯装着後の経時的臨床経過に関して、松元がこれまで開発、報告してきた補綴処置効果診装置による客観的生理学的デ-タ-解析に、対象症例の残存歯列に関する形態学的条件を資料解析に参考として臨床的な効果の良否に関する経過観察を行い、補綴処置の設計上、その予後を推測する上で極めて重要な相関関係を示す法則を検出した。結果の一部は平成3年度International College of Prosth odontistsにて報告、同誌に論文製作中である。その概要は以下のとおりである。1残存歯列による咬合の不安定、特に後方の支持を長期的に欠いていた症例では、天然残存歯列に対咬する遊離端床義歯による補綴的処置を行うことにより咀嚼筋活動量は著しく増加し、また咀嚼リズム、筋間の協調性等も装着後約3ヵ月で改善、安定する。2咀嚼サイクルタイム、リズムの改善と伴にタッビング等の意識的な制御能が高くなり恒常性をます。3咀嚼筋群の活動量の増加に伴い、臨床的な患者の問診による咀嚼感覚の改善が診られた。さらに患者の日常の食習慣の改善も見られることが分かった。4しかし、3ケ月後のこれらの客観的なデタ-の向上は対咬する上顎天然歯列の状態と欠損部顎堤の形態、並びにその位置的な関係が基本的に関与し、松元の発表してきた残存歯欠損部顎堤対咬指数(上顎残存歯の支持咬頭対欠損部顎堤上に設定される有床義歯の有効床外形によって構成される三角形の内心との間の線分(1)と咬合平面との角度(θ)によってこの指数が得られる。)RI=1tanθの値を2.0以下に設定できない症例では持続した経時的な向上は見られなかった。つまり対咬残存歯列の改善を加えてはじめて有効な補綴処置が可能であることがわかった。
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