研究課題/領域番号 |
01480446
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野村 修一 新潟大学, 歯学部, 助教授 (40018859)
|
研究分担者 |
上原 重親 新潟大学, 歯学部, 助手 (80176627)
金谷 貢 新潟大学, 歯学部, 助手 (40177499)
渡辺 明彦 新潟大学, 歯学部, 助手 (50201166)
|
キーワード | 電解式組織血流計 / 咀嚼筋血流量 / 電解条件 / 発生水素量 / 拡散 / 接合関係 / 温度変化 |
研究概要 |
電解式組織血流計で咀嚼筋血流量を測定するためには一定の電解条件(電解電流量I、電解時間T)の設定が必要なため、平成元年度では安静時A、かみしめ時B、かみしめ後の安静時Cでの血流量測定に最適な電解条件を検討した。水素発生量、組織傷害、測定時間を考慮して、I=3μA、T=30秒に設定して、被験者3名についてA,B,Cの測定区間で習慣性咀嚼側咬筋血流量を測定したが、測定値のバラツキに比べ血流の変化量は少なく、一定の傾向は見いだせなかった。この結果は第4回日本ME学会秋期大会で報告した。このバラツキの原因として、発生水素量が少ない為に拡散の影響を強く受けた。また、筋収縮による電極先端の移動が関係しているものと考えられた。 そこでI=5μA、T=30秒さらにI=7μA、T=30秒さらにI=10μA、T=50秒という3つの電解条件を新たに設定し、同様の測定を行った。しかし、キセノンによる測定で報告されているようなCでの血流量増加という現象を確認できなかった。一方、電解条件を大きくしていくと、測定値のバラツキは小さくなるが、血流の変化量も小さくなることが判明した。これは、電極周囲の発生水素量が増加したために電極が血流の変化をとらえにくいものと考えられる。 もう一方の原因として、筋収縮による電極の移動による、電極先端と筋組織の接合関係の変化が考えられたため、安静時のみの血流量を前出の4つ電解条件で測定した。その結果、4つの条件ともに安定した結果が得られ、10μA、50秒では日を変えても同様の測定値が得られる傾向が認められた。従って、当血流計はかみしめなどの電極の移動を伴う測定は現時点では極めて困難と言える。そのため、筋収縮以外で筋の血流量が変化する場合として、温度変化に伴う血流量に注目し、臨床応用を検討中である。
|