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1990 年度 実績報告書

高強度繊維におよび超分子分散による複合レジンの分子運動と動的粘弾性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480457
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

楳本 貢三  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40097275)

研究分担者 山根 史考  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (00174764)
下里 隆史  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20179005)
キーワードPMMAレジン / 炭素繊維 / アラミド繊維 / ポリアラミド分子 / 分子複合レジン / 分子運動性 / 熱分析 / 動的粘弾性
研究概要

繊維複合の補強では表面処理繊維とマトリックスレジン(PMMA)との相互作用について動的粘弾性装置(DMTA)を用い,50〜250℃におけるガラス状領域〜ゴム状領域〜流動状領域のE^1およびtanSを測定した。曲げおよび弓張り強さに補強効果の見られなかった未処理CF、KF複合でも高温領域になるとPMMAの極性による分子間相互作用により,PMMAより高いE^1値を示した。中でもECF複合PMMAのE^1値は200℃でPMMAの約2.2倍となり,tanS値は1.31と最も低く,PMMAとの結合に優れていた。次にECFの枚数の増加と共にE^1値も増大したが,αピ-ク温度に低下が見られ重合条件に問題があった。CLRKF1枚複合では150℃で約1.4倍,2枚複合で約2倍および4枚複合で約4.1倍PMMAより高いE^1値となり,曲げ強さとの相関性を示した。αピ-クの温度はほぼ一定で,tanS値は複合枚数と共に低下し,優れた処理剤であることが解った。次に分子複合レジンではPPTA,MPIAおよびPPOTをコア分子とし,N位オクチル置換(Oct)の各種改質ポリアラミドを3wt%複合PMMAの歯科理工学的性質はOctーPPTAーPMMA>OctーPPOTーPMMA>OctーMPIAーPMMA≧PMMAとなった。この性質を分子論的に追及するためにコア分子にはNMRによるT_1測定、分子複合レジンにはTGおよびDMTA測定した。コア分子の主鎖カルボニル基およびN位側鎖末端メチル基のT_1値はOctーPPTA<OctーPPOT<OctーMPIAとなり,コア分子として直線性の高い分子の方が暖和時間が短くなった。TGの開始温度はOctーPPTAーPMMA(266℃)>OctーPPOTーPMMA(263℃)>OctーMPIAーPMMA(246℃)>PMMA(237℃)となった。DMTAで200℃においてOctーPPTAーPMMA,OctーPPOTーPMMAは共に約1.35倍,OctーMPIAーPMMAは約1.15倍PMMAより高いE^1値を示した。これより直線性の高い剛直なコア分子の複合により,優れた歯科理工学的性質を示し,T_1,TGおよびDMTA測定より分子の剛直性と補強性との関連を分子論的立場から明らかにすることが出来た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 下里 隆史: "高強度繊維および超分子分散による複合レジンの分子運動と動的粘弾性の研究" 歯科材料・器械. 10. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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