磁性アタッチメントの補綴臨床応用に関する研究

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01480459
• 研究機関: 愛知学院大学
• 研究代表者: 田中 貴信 愛知学院大学, 歯学部・第一歯科補綴学教室, 助教授 (60014271)
• 研究分担者: 杉本 太造 愛対学院大学, 歯学部・第一歯科補綴学教室, 助手 (70192127) ; 中野 和彦 愛知学院大学, 歯学部・第一歯科補綴学教室, 助手 (80183515) ; 岸本 康男 愛知学院大学, 歯学部・第一歯科補綴学教室, 講師 (50150785) ; 平沼 謙二 愛知学院大学, 歯学部・第一歯補綴学教室, 教授 (00064783)
• キーワード: 磁性アタッチメント / 磁石 / 光弾性 / 維持装置 / 応力分布 / ビデオ / レ-ザ-変位計 / 根面アタッチメント

研究概要

前年度までの実績としての、高性能磁性アタッチメントの開発とそれに関する各種基礎実験の結果については、各種学会発表と共に、日本応用磁気学会誌、および日本補綴歯科学会誌に投稿した。また、この磁性アタッチメントの製品化を目指して、臨床的な使用デ-タ-も収集中であるが、既に100を越える症例においてその安定性および有用性を確認している。これは厚生省に対する医用器具認可申請の臨床治験も兼ねたものである。
本年度に予定された基礎実験として、現在、以下の実験を遂行中である。下顎両側犬歯残存の光弾性模型にオ-バ-デンチャ-を作製し、支台歯にはサンドイッチ型磁性アタッチメント、根面キャップ、Oーringアタッチメント、Bear attachmentをそれぞれ組み込み、第一大臼歯部に0〜30Kgfの連続荷重を行い、支台歯および顎堤部の応力分布の状態をスチ-ルカメラとビデオカメラによって連続的に記録した。この時の義歯の動きは3台のレ-ザ-変位計によって記録した。それぞれの維持装置に対する、作業側荷重時と平衡側荷重時、また、垂直荷重と側方荷重時など実験項目が多様なため、未だデ-タの整理は完了していないが、磁性アタッチメントは他の維持装置と比較して、支台歯や顎堤部に合理的な荷重分布をしているものと見られる。また、従来この種の実験において、ビデオカメラによる連続的な応力変化を観察したものは見られないが、この方法によって、義歯機能時の応力分布の変化が極めて明瞭に観察出来ることが確認された。

研究成果

• [文献書誌] 田中 貴信,岸本 康男,星合 和基,平沼 謙二: "キャップ型磁性アタッチメントの検討" 顎顔面補綴. 12. 1-11 (1989)
• [文献書誌] 田中 貴信,石島 勉,高橋 研省,平沼 謙二: "三次元磁場解析に基いた完全シ-ル型磁性アタッチメント" 日本補綴歯科学会雑誌. 33. 49 (1989)
• [文献書誌] 田中 貴信,本蔵 義信,岩間 義郎: "希土類磁石を活用した歯科用磁性アタッタメントの開発" 日本応用磁気学会誌. 14. 477-482 (1990)
• [文献書誌] 田中 貴信,本蔵 義信,平沼 謙二: "サンドイッチ型磁性アタッチメントに関する基礎的検討" 日本補綴歯科学会雑誌. 35. 167-177 (1991)
• [文献書誌] 田中 貴信,岸本 康男,石上 友彦,平沼 謙二: "サンドイッチ型磁性アタッチメントに関する基礎的検討" 日本補綴歯科学会雑誌. 33. (1989)
• [文献書誌] Yoshino I,Yano T,Yoshikai Y,Murata M,Sugimachi K,Kimura G,Nomoto K.: "Oligoclonal T lymphocytes infiltrating into human lung cancer tissues" International Journal of Cancer. (1991)