研究課題/領域番号 |
01480487
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
松本 光生 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00084294)
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研究分担者 |
河合 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70214583)
広瀬 武尚 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90218842)
鴨頭 和利 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40148937)
川越 仁 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40131859)
伊東 隆三 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90122770)
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キーワード | 東洋医学 / 矯正的歯の移動 / ハリ通電刺激(EAP) / レ-ザ-組織血流計 / 病理組織学 |
研究概要 |
歯科医療においても東洋医学の活用が盛んになってきた。歯科矯正分野においては治療時に生じる疼痛や愁訴に対しての報告がみられるのみで歯の移動に対する影響について検討したものはない。従来よりハリ通電刺激(EAP)により疼痛の緩和が得られるばかりでなく自律神経系が賦活され血管の拡張や血流量の増加がみられることが報告されている。我々はこの点に着目しEAPを併用した場合の矯正力に対する歯周組織への影響について検討した。今年度はさらに犬歯に遠心方向の力を加え、矯正移動単独群(非EAP群)とハリ刺激併用群(EAP群)とに分け圧迫側歯肉の血流量の変化について比較検討した。資料と方法:患者5名を選び上顎犬歯に対して遠心方向にlight forceを加えた。左側を非EAP群、右側をEAP群とした。ツボは歯科領域で頻用される合谷にEAPを連日15分間行った。矯正移動期間は2週間とした。歯肉血流量の計測は連日同一時刻に行った。血流量は非浸襲的に測定できるレ-ザ-組織血流計ALF2100を用いた。結果:EAPによる血圧、脈拍に著しい変化は認められなかった。非EAP群における圧迫側歯肉血流量は荷重負荷直後は著明な減少が認められ2〜3日後まで血流量の低下状態が続いたが、移動するに伴いその程度は軽減した。EAP群では負荷直後に同様に血流量の低下がみられたが非EAP群に比べその減少率は少なかった。しかし15分後にはほぼ荷重負荷前の状態に復帰しその後やゝ血流量の増大が維持されていた。また移動量も非EAP群に比べ大きい傾向が認められた。このような結果からEAPにより自律神経系が賦活され歯周組織の血流量の増加が生じた結果、矯正力に対する毛細血管の抵抗性が高まったものと考えられた。また現在ラットの第一臼歯を移動歯として選び同歯の近心移動を行い、非EAP群とEAP群間の歯周組織の変化の違いについて病理組織学的に検討を行っている。
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