研究課題/領域番号 |
01480488
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
樋出 守世 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部・生化学室々長 (60072906)
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研究分担者 |
高江州 義矩 東京歯科大学, 口腔衛生学講座, 教授 (60048303)
今井 獎 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 主任研究官 (80072958)
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キーワード | 歯牙 / フッ素 / 含有量 / 微量金属 / Srー90 / 経年推移 / 微量フッ素拡散装置 |
研究概要 |
フッ素は最も確実な齲蝕の予防剤である。しかし現状ではフッ素の応用には根強い反対があって、予防法として一般化する所までは行っていない。反対派の挙げる根拠の一つとに日本人が食品から摂取するフッ素が多く、これ以上齲蝕予防などの目的でフッッ素を体内に摂取するのは危険だとする考えがある。 本実験では人体内に摂取されたフッ素のほとんどが骨や歯牙に蓄積される事から、歯牙中に蓄積されたフッ素量がすなわちフッ素の摂取量の指標となっているものと考え、抜歯歯牙を広範囲に収集し、これのフッ素量を定量し、外国のデ-タと比較することによって、日本人のフッ素ベ-スを求めようとするものである。また、過去から現在にかけてのフッ素の蓄積量の推移を調べ、戦後の日本人の栄養の変遷との関連を検討する。 平成元年度はまずフッ素の定量法の改良に着手した。定量法として微量拡散法を採用することとし、これをより確実なものにすることと、高温で拡散分析を行なわせることによって、有機質の分解とフッ素の遊離を同時に行なわせ、分析時間の短縮させ、同時に回収率を向上させる事を計画した。この目的でテフロン製の精密なベッセルを作成した。実験の結果、従来行なわれている60℃以下で行なうよりも、90℃ないし120℃で拡散を行なった方がよい結果が得られた。平成2年度は実際にヒトの抜歯歯牙のフッ素を定量する予定である。 歯牙中の微量元素の検索の一連の研究として、ドナ-の生年で1900〜1970年間のヒト第三大臼歯中に蓄積された^<90>Srを測定した。その結果、^<90>Srはドナ-の生年で1935年頃より急激に上昇し、1953年にはピ-クの63mBq/gCaに達した。以後急激に下降し、1970年頃には約20mBqまで減少した。目下この推移と日常食や大気中のフォ-ルアウト等の経年推移との関連性を調べている。
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