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1990 年度 実績報告書

化学合成オリゴヌクレオチドを用いたRNAの自己切断反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 01480489
研究機関北海道大学

研究代表者

大塚 栄子  北海道大学, 薬学部, 教授 (80028836)

研究分担者 紙谷 浩之  北海道大学, 薬学部, 教務職員 (10204629)
岩井 成憲  北海道大学, 薬学部, 助手 (10168544)
井上 英夫  北海道大学, 薬学部, 助教授 (80088856)
キーワードRNA / ハンマ-ヘッド型リボザイム / 自己切断反応 / 化学合成オリゴヌクレオチド / 酵素活性 / 構造解析 / CDスペクトル / NMRスペクトル
研究概要

ある種のウイルスのサテライトRNAやウイロイド等で発見された自己切断RNAは、「リボザイム」と呼ばれる酵素活性を有するRNAの中で最小の分子であり、その切断反応には「ハンマ-ヘッド」構造を形成する必要があると考えられている。本研究は、部位特異的に修飾を導入することが可能な化学合成オリゴヌクレオチドを用いてこの切断反応の機構を解明することを目的として行われ、以下の研究成果が得られた。
自己切断反応の解析を行うために、イモリのサテライトDNA転写物の配列のもとにした2本の鎖より成るハンマ-ヘッド型リボザイム複合体とその変異体を講築し、反応に必要な共通構造を明らかにした。次に、切断部位に2'ーO__ーーメチルシチジンを導入した3本の鎖より成る複合体のCDスペクトルを測定することにより、切断反応には高次構造の形成が必須であることを示した。また3本の鎖より成る複合体のkinetic parameterを求めると、K_m=0.53μM、V_<max>=0.015μM・min^<ー1>、k_<cat>=0.03min^<ー1>となった。
不安定なステムール-プ構造を持つハンマ-ヘッド型リボザイムでは、2分子が会合したダイマ-構造が優先するという報告があるため、イモリのサテライトDNA転写物型の2本の鎖より成る複合体について、その構造を調べた。1.T_m測定により自由エネルギ-を求めると、モノマ-型を仮定した計算値に近い値であった。2.ゲル電気泳動で、3本の鎖より成る複合体(モノマ-型)と同様の移動度を示した。3.切断反応を行い半減期を求めると、ダイマ-構造を形成するように設計した複合体よりはるかに長時間を要した。4.ステム部分の2つのグアノシンをイノシンに変えた複合体のNMRスペクトルを測定すると、I・C塩基対に由来するシグナルが1本しか観察されなかった。以上の結果より、この複合体はモノマ-型で存在することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Makoto Koizumi: "Design of RNA enzymes for sequenceーdependent cleavage of RNA" Nucleic Acids Research Symposium Series. 21. 107-108 (1989)

  • [文献書誌] Makoto Koizumi: "Design of RNA enzymes distinguishing a single base mutation in RNA" Nucleic Acids Research. 17. 7059-7071 (1989)

  • [文献書誌] Toshiro Sasaki: "Chemical synthesis of oligoribonucleotides for structural studies" Nucleic Acids Research Symposium Series. 22. 43-44 (1990)

  • [文献書誌] Shigenori Iwai: "Large scale synthesis of oligoribonucleotides on a solid support:Synthesis of a catalytic RNA duplex" Tetrahedron. 46. 6673-6688 (1990)

  • [文献書誌] 大塚 栄子: "遺伝子発現抑制の手法のためのリボザイム" 実験医学. 8. 1685-1689 (1990)

  • [文献書誌] 小泉 誠: "RNAを配列特異的に切断するリボザイム" 蛋白質 核酸 酵素. 35. 2191-2200 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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