研究課題/領域番号 |
01480503
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
柳田 知司 (財)実験動物中央研究所, 付属前臨床医学研究所, 所長 (50072400)
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研究分担者 |
若狭 芳男 (財)実験動物中央研究所, 付属前臨床医学研究所・精神薬理部, 主任研究員 (60124278)
島田 暸 (財)実験動物中央研究所, 付属前臨床医学研究所・薬理部, 主任研究員 (00124272)
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キーワード | オピオイド / 身体依存性 / 代替法 / モルモット / 摘出回腸 / エチルケトサイクラゾシン / ラット |
研究概要 |
近年、動物実験の倫理および薬物作用機序の解析という観点から、丸ごと動物のかわりにin vitro代替法による実験の開発が注目されている。なかでも薬物の身体依存性の検索においては、退薬症候を介してしか検索できないために動物に与える苦痛は少なくないと推測され、代替法の開発が望まれている。よって、本研究ではオピオイド物質の身体依存性をin vitro実験で検索する方法を検討し、本年度は以下の結果を得た。 1.ウサギから摘出した輸精管標本をクレブス液の入ったマグヌス槽に吊し、電気刺激したときに生ずる収縮をポリグラフに記録した。槽内に適用したモルヒネ、ペチジン、コデイン、およびペンタゾシンは電気刺激収縮に対し、いずれも明らかな抑制効果を示さずIC50は求められなかった。また、エチ-ルケトサイクラゾシンのIC50の5倍濃度で24時間インキュベ-トした標本においてもナロキソン適用時の基線張力の上昇は認められなかった。 2.昨年度のモルモット摘出回腸の実験で、エチ-ルケトサイクラゾシンには弱い身体依存性があることが示唆されたので、本年度はラットのin vivo実験を行った。1群6ー8頭の5週齢のJcl:SD系雄性ラットの静脈内にカテ-テルを介してエチルケトサイクラゾシンを1時間間隔で72回投与した。最終回投与の30分後にナロキソン4mg/kgを皮下投与し、以後15分毎に1時間後まで退薬症候を観察した。その結果、0.5mg/kg群では歯咬、被刺激性の亢進、下痢・軟便、流涎、および体重減少がみられたが、これら退薬症候の総合スコアはペンタゾシンより低かった。 以上、本年までの研究の結果を総合すると、オピオイド物質の身体依存性の検索にモルモット摘出回腸標本を用いる方法は有用であり、ある程度量的な評価も可能であることがわかった。一方、ウサギの摘出輸精管標本はこのような目的には適していないこともわかった。
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