研究課題/領域番号 |
01480507
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 禮子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (90132240)
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研究分担者 |
武田 祐子 千葉大学, 看護学部, 助手 (80164903)
井上 智子 千葉大学, 看護学部, 助手 (20151615)
雄西 智恵美 千葉大学, 看護学部, 助手 (00134354)
石黒 義彦 千葉大学, 看護学部, 教授 (30009443)
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キーワード | 老人患者 / 呼吸練習 / 生理的・心理的特性 / 術後痛 / 除痛法 / リラクゼ-ション |
研究概要 |
1,老人患者の手術に伴う生理的、心理的変化の特性について、最新の研究報告を詳細に分析した結果、(1)老人肺ではclosing capacityが機能的残気量を上回ることから動脈血酸素分圧の低下を生じ、睡眠やその他の外的要因によっても低下しやすく回復が遅い。(2)術後は低酸素血症を来しやすい機会に多くさらされ、このことが肺合併症の機序として大きく関与している。(3)加齢現象は環境適応能力の低下を著しくさせており入院・手術に伴う急激な状況変化は、容易に不適応状態に陥らせる。(4)合併症予防のために要請される、自主的行動に対する学習のレディネス(心理的準備性)は混沌としており、多くの場合コンプライアンスは低い。といった事項を明らかにした。これらの特性は、個別呼吸練習プログラムの基礎資料として重要であると考えている。 2.手術患者5例(胃切除3、腸切除2)を対象に、術後疼痛が呼吸機能に与える影響について、鎮痛剤投与法とrelaxation法の実施状況から検討した結果は以上の如くである。(1)術後2日目、Patient-Controlled Analgesia(PCA)によるモルヒネ持続硬膜外注入施行者が2例、ペンタジン・アタ-P筋注3例(2)johnsonの痛みスケ-ル得点の経日的変化:PCA施行者1.5→1.5筋注施行者6→5(3)%VCは術後1日目に5例とも術前%VCの60%以下に低下(4)術後2日間%VCは、筋注施行者は術前の60%以下であるがPCA施行者は70%以上に回復した。(5)relaxation法は術前と術後3日以降は自主的実施が可能であった。(6)relaxation前後での呼吸回数と%VCに差はなかった。以上より、PCA施行患者に創痛の程度が低く%VCの回復が良いことから、術後痛が呼吸機能に与える影響が大きい事が推測できる。relaxation効果は、患者に「快」を与える効果は確認済みであるが、呼吸機能への影響は測定時期、測定条件等を再検討して再調査する予定である。
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