研究概要 |
この研究目的は、地域における健康を保持していく条件の一つとして「地域ケアカ」を捕え,その形成していくプロセスを発展過程として分析し、方法論を探ることである。 今年度は、2年度目にあたり,平成元年度に示された、(1)支援する側をしての保健所職員の変化を、(2)障害者のケアカの形成過程を分析した結果をふまえて、(a)地域ケアカの概念整理を行なった。その結果、地域ケアカの要素として、(i)住民の役割,(ii)支援者の役割、(iii)公的な責任の役割に大きく3分類されることが示された。 これらの3要素の役割には、発展していくプロセスがあり、各段階での特性が示された。初期の段階では、能動的に活動そのものをこなしていく役割を、一方的に指示していくことが中心であり、しだいに,活動システムに改善が加えられていく中期の段階を経て、最終目標の共有化を図りながら,全体システムを検討し,各要素が、主体的に関与していく後期を確認した。 一方これらの発展システムは、保健行動の発展システムと不可分であることも確認された。またこれら地域ケアの発展段階では、推進要因と阻害要因が関与していることが明らかにされ,地域ケアモデルが再現性をもっための条件がより明らかになった。
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