研究課題/領域番号 |
01480509
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研究機関 | (財)東京都精神医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮本 真巳 (財)東京都精神医学総合研究所, 研究部, 研究員 (30209952)
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研究分担者 |
外口 玉子 社会福祉法人, かがやき会(地域ケア福祉センター), 研究員 (70090397)
小宮 敬子 (財)東京都精神医学総合研究所, 技術部, 研究員
伊藤 ひろ子 (財)東京都精神医学総合研究所, 技術部, 研究員
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キーワード | セルフヘルプ・グル-プ / 回復者クラブ / AA / 断酒会 / アイデンティティ / 役割葛藤 / 要求獲得運動 / 価値形成 |
研究概要 |
本研究では、今年度以下の調査活動を行った。(1)セルフヘルプ・グル-プの活動に関連する諸領域の研究者、実践者、当事者を招いてのセミナ-。(2)東京周辺、大阪、高知、山形等における精神保健領域の回復者クラブ、並びにAA・断酒会におけるフィ-ルドワ-ク、リ-ダ-層を対象とした面接調査。これらの調査活動によって得られたデ-タの分析を通じて、以下の諸点を明らかにした。 (1)セルフヘルプ・グル-プの活動は、参加者に理解と支持を提供し続けることを通じて、疾患からの回復、障害の受容、直面している問題の解決を、様々な局面において促進している。 (2)セルフヘルプ・グル-プの結成と活動の継続にとって、専門職による適切な問題提起、情報や場の提供、率直な相互批判が有効である反面、専門職が活動方針の決定や、日常活動に過剰に介入すると、セルフヘルプ・グル-プの自律性が阻害される。 (3)セルフヘルプ・グル-プの活動に関与する専門職は、役割葛藤を起こしてアイデンティティ危機に陥り易いため、専門職同士の相互支援体制が必要である。 (4)保健医療の専門的活動とセルフヘルプ・グル-プの活動をつなぐ上では、専門訓練と援助活動の機会を得た当事者と、当事者体験から主体的に学び得た専門職とが、重要な役割を担っている。 (5)セルフヘルプ・グル-プの比較検討を通じて、資源・権利等の要求獲得運動としての側面、並びに新たな価値形成やアイデンティティ確立を求める運動としての側面のいずれに力点が置かれるかによって、活動の類型化が可能である。
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