研究課題/領域番号 |
01480513
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 耕三 徳島大学, 医学部, 助教授 (00002246)
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研究分担者 |
安居院 高志 徳島大学, 医学部, 助手 (00212457)
泉 啓介 徳島大学, 医学部, 助教授 (30116777)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 肝炎・肝癌 / LECラット / 免疫不全 / Immunodeficiency / Recombinant Rat / Congenic Rat |
研究概要 |
本研究は肝炎自然発症及び免疫不全形質を合わせ持つ突然変異ラット(LEC)の各形質の研究とそれらの形質を分離した系統を作製する事を目的としていた。まず特性研究であるが、肝炎自然発症ラットの特性として銅の異常蓄積、血清セルロプラスミン欠損が考えられている。しかしその原因については不明である。我々はこの点についての遺伝解析を行った。その結果銅の異常蓄積と血清セルロプラスミン欠損とは遺伝学的に100%連関している事実を発見した。セルロプラスミンは銅結合蛋白の一つである事から、この異常が考えられた。しかし肝におけるセロルプラスミンmRNAをPCR法を用いて調べるとmRNAの発現は観察された。この事からセルロプラスミン遺伝子の欠損でない事が明かとなった。さらに肝代謝酵素であるGSTについての検討を行ったところGST2ー2分子種が特異的に増大している事を発見した。遺伝解析結果はこの特性が肝炎発症と関連している事を示した。 免疫不全についてはヘルパ-T細胞の欠損をすでに報告したが、今回この遺伝的変異と肝炎発症とは関連のない事を確定した。しかし肝癌発症及び癌の増勢にヘルパ-T細胞の関連している可能性がある。 以上の事から肝炎、免疫不全に関する形質に対するリコンビナント及びコンジェニック系統ラットの作製はこの問題を研究する上でぜひとも必要なものである事がさらに明白となった。リコンビナント系統ではすでに肝炎発症系と非発症系とが分離されており、現在CXA,CXHリコンビナント系統は各F13とF7代に達している。またコンジェニック系統はN4まで達しており、この後約1年程度で実用に使用できると考えられる。
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