研究課題/領域番号 |
01480514
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田村 弘 帝京大学, 医学部, 助教授 (30101728)
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研究分担者 |
石黒 敏一 帝京大学, 医学部, 助手 (30082275)
大門 建夫 帝京大学, 医学部, 助教授 (40091037)
木内 吉寛 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (80012764)
久原 孝俊 帝京大学, 医学部, 講師 (70134616)
阿部 由明 帝京大学, 医学部, 教授 (20089296)
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キーワード | マイコプラズマ / 感染実験 / 感染症 / マウス / ラット / 肺炎 / 免疫学 / ワクチン |
研究概要 |
1.菌体(Mycoplasma pulmonis:M.pul)と、菌体抗原の代替物質による肺炎の構築 肺炎の構築法として確立されつつあるのは、マウス・ラットの気道を介し、(1)3GluーαNH_2(合成抗原)の投与を行う方法(M.pul感染初期の肺胞基底膜の所見の再現)、(2)CoAを投与する方法(気管支肺動脈周囲、肺胞領域のリンパ球を主とする間質性肺炎を構築)、(3)M.pul死菌投与法(生菌感染による初期の間質性肺炎像)などと、M.pul抗原記憶T細胞をラットに移植する方法(自己免疫疾患としての肺炎の構築)である。また、それらの肺炎の免疫病理学的検索を実施している。その他、現在検討中の方法としては、種々の肺炎構築物質を認識したモノクロ-ナル抗体の、抗イディオタイプ抗体による肺炎の構築法である。 M.pul菌体の内にある肺炎起炎物質(抗原)の検索により、私達が初めて分離したSigmodon hispidus由来のM.pulと、共通な抗原のひとつが肺炎を重症化することを明かにした。 2.マウスのM.pulによる肺炎の初期感染像の免疫調整剤による反応と、その免疫病理学的解析 感染初期における肺炎の病理学的推移を観察しながら、抗生剤と免疫抑制剤や免疫調整剤(サイクロスポリンA、インタ-ロイキン2)を投与し、免疫反応の関与したM.pul肺炎の増悪化と治癒過程を種々のパラメ-タ-を用いて検討することで、感染マウスにおけるTーcell systemとB-cell systemの変動について解析すると同時に、M.pul肺炎動物の免疫調整剤などによる治療法が有効であることを示した(札幌医学雑誌、58巻、1989)。 3.感染防御阻止抗体とワクチン用抗原に関する検討 M.pul感染の後、遅れて産生されるIgGとIgA抗体のごく微量(ELISA法で、IgGとIgA抗体価がひと桁)を含む血清が投与されたマウスは、感染による肺炎が阻止されることを発見した。そこで、ウエスタン・ブロッティング法を用い、この感染防御を示す抗体を産生した抗原(有望なワクチン用抗原)の単離・同定を進めている。
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