研究課題/領域番号 |
01480518
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
中浜 信子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (90060590)
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研究分担者 |
粂野 恵子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (20186480)
赤羽 ひろ 関東学院女子短期大学, 家政科, 助教授 (80060698)
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キーワード | 混合ゲル / 機能特性 / 力学特性 / 官能検査 / 嗜好性 |
研究概要 |
食品の嗜好的な機能特性の重要性と、さらに高齢化社会を迎えるにあたり、咀嚼能力の低下などの問題から、食べやすく、口どけ、のどごしの良い食品の開発が必要となってくる。そこで本研究では調製にあたっては容易で、供卓までは型くずれせず、喫食にあたっては口どけが良く、のどごしの良い混合ゲルの開発を試みる。本年度は主として、ゼラチン、カラギ-ナン突合ゲルおよび、LMペクチン、スタ-チ、アルギン鎖、寒天、ゼラチン、カラギ-ナンと牛乳の混合ゲルについて検討を行った。 カラギ-ナン、ゼラチンの単独ゲルと、混合ゲルについて、融点、動的粘弾性、破断特性、透明度などを測定し、単独ゲルと混合ゲルの特性の関係を求めた。口どけの良いとされる36〜37℃の融点から得られる混合ゲルは、ゼラチン4%、カラギ-ナン0.9%で体積分率50%:50%をもつ混合ゲルであることが認められた。また混合により破断応力および貯蓄弾性率は相互の影響があることが示唆された。調製上および口どけの観点から、混合ゲルのゾル-ゲル、ゲル-ゾルの変化の機序を解明するため、温度コントロ-ルしたレオログラフゾルを用い、動的粘弾性の温度による変化と混合ゲルの凝固、融解温度についてあわせて検討した。その結果ゼラチンーカラギ-ナン混合ゲルの凝固、融解温度はカラギ-ナンによる影響が大であることが示唆された。牛乳添加の混合ゲルについては、破断応力は、スタ-チと寒天のゲルで牛乳の混合により阻害効果が、ゼラチンとカラギ-ナンのゲルで増強効果が認められた。口どけ、のどごしの観点では、最も融点の低いゼラチンと最も融点の高い寒天ゲルが、口どけ、のどごしが良いと評価された。口どけ、のどごしの良いゲルは融点の他に離漿率など種々の要因が深く関与して評価されていることが示唆された。
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