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1991 年度 実績報告書

部位特異性突然変異法によるトランスアミナ-ゼ活性域の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480524
研究機関大阪医科大学

研究代表者

鏡山 博行  大阪医科大学, 医学部, 教授 (80028555)

キーワード部位特異性突然変異 / トランスアミナ-ゼ / アスパラギン酸アミノ基転移酵素 / 酵素反応機構 / ピリドキサル燐酸 / 活性中心 / 蛋白質工学
研究概要

X線結晶解析の結果をもとにしてsiteーdirected mutagenesisの手段によって、大腸菌アスパラギン酸トランスアミナ-ゼ(AspT)の部位特異的変異体を多種作成し、反応機構の解明を目指して研究を続行した。
本年度はD_<222>,H_<143>,V_<39>を主な対象とした。D_<222>とH_<143>は起源の異るAspTに高度に保存されている残基である。D_<222>は補酵素ピリドキサル燐酸のピリジン環Nと水素結合できる位置にある。これをアラニンやアスパラギンに変えた酵素は活性が殆んど無くなるが、グルタミン酸に変えた酵素では20ー30%活性が残った。アラニンやアスパラギン置換体に基質アスパラギン酸を結合させた時の酵素の吸収スペクトルの解析から、反応の進行に必須の基質アスパラギン酸のαーHの引き抜きが障害されていることがわかった。ここに、222位には負電荷が必要で、これがピリジンNのpKaを上げて正に帯電させ、結合した基質のαー炭素から電子をひっぱり、αーHの引き抜きを助けることが明らかになった。同時に半反応の解析より、ピリドキサミン型とケト酸との反応の場合には222位に負電荷は必要ないという新しい知見を得た。
H_<143>はD_<222>の電荷の安定性に寄与し、反応に必須の残基であると信じられて来たが、アラニンやアスパラギンへの置換によって活性は殆んど影響されず、触媒作用に直接関与するものではない事が明かになった。
AspTは芳香族アミノ酸をも基質とする。X線解析にもとずくコンピュ-タ-グラフィクスより、芳香環認識にあずかる残基の一つにV_<39>が浮び上った。39位は基質特異性の極めて厳密な動物酵素ではアラニン、大腸菌芳香族アミノ酸トランスアミナ-ゼ(AroT)ではロイシンで、39位の疎水性と芳香族基質に対する親和性が相関している。それを念頭に置いて39位をアラニン、ロイシンに置換したが、期待したほどの影響は得られなかった。AroTの大量生産系が作成できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Moon-Hee Sung: "Thermostable Aspartate Aminotransferase from a Thermophilic Bacillus Species:Gene Cloning,Sequence Determination,and Preliminary X-Ray Characterization" J.Biol.Chem.266. 2567-2572 (1991)

  • [文献書誌] Katsura Inoue: "Tyrosine 225 in Aspartate Aminotransferase:Contribution of the Hydrogen Bond Between Tyr 225 and Coenzyme to the Catalytic Reaction" J.Biochem.109. 570-576 (1991)

  • [文献書誌] Hideyuki Hayashi: "Replacement of an Interdomain Residue Vol39 of Escherichia coli Aspartate Aminotransferase Affects the Catalytic Competence without Altering the Substrate Specificity of the Enzyme" J.Biochem.109. 699-704 (1991)

  • [文献書誌] Takato Yano: "The Role of His^<143> in the Catalytic Mechanism of Escherichia coli Aspartate Aminotransferase" J.Biol.Chem.266. 6079-6085 (1991)

  • [文献書誌] Katsura Inoue: "Site-Directed Mutagenesis of Escherichia coli Aspartate Aminotransferase:Role of Tyr70 in the Cataly tic Process" Biochemistry. 30. 7796-7801 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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