• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

急速凍結・電顕法を用いた生体分子のミリ秒時間分解能における動態分析

研究課題

研究課題/領域番号 01480541
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

月田 承一郎  東京都臨床医学総合研究所, 超微形態, 研究員(室長) (50155347)

研究分担者 月田 早智子  東京都臨床医学総合研究所, 超微形態, 研究員 (00188517)
キーワード電子顕微鏡 / 急速凍結法 / 液体ヘリウム / ケ-ジド化合物 / 骨格筋 / ATP / カルシウム / 蛋白質
研究概要

caged化合物とは、強い紫外線があたると分解してcageがとれ、活性型になるように合成された化合物のことである。その代表的なものにcaged ATPがある。この化合物を含む溶液に強い紫外線をあてると、溶液中のATP濃度を急激に上昇させることが出来る。したがって、このような化合物を含む生物試料を凍結の直前に(ミリ秒のレベルで正確に)強い紫外線にあてる装置ができればその利用価値は大きい。しかし、このような装置を作る場合、解決されなければならないいくつかの技術的な問題点がある。本年度は、これらの問題点を一つずつ解決し、caged化合物を用いた急速凍結システムを開発することを目指した。
まず、第一にいかに強い光源を得るかということ。レ-ザ-光線を用いることも考えたが費用の点から難しく、従来のランプ形の光源を改良して充分なエネルギ-が得られるように工夫した。第2に光源の光をどのようにして試料まで導くかということ。鏡を使うことも考えたが光軸を合わせることが難しい。紫外線用のライトガイドを凍結棒に組み込むことにより解決した。第3に生物に有害な波長の光を除くこと。フィルタ-をうまく組み合わせることにより除去できた。第4に光をあてるタイミングと凍結のタイミングを正確にかつ自由に設定できること。光のセンサ-とコンピュ-タ-を組み込むことにより解決した。
このような問題点を解決することにより、充分なエネルギ-の無害な光を凍結の直前5ミリ秒から200ミリ秒の間に正確に試料に照射できるシステムが完成した。さらにこのシステムには、試料が凍ったときに電導度が変わることを利用して凍結の良い悪いをその場で判定できる装置も組み込まれた。現在、このシステムを用いて筋収縮の基礎メカニズムについて解析を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 月田承一郎,月田早智子: "Isolation of cell-to-cell adherens junction from rat liver." J.Cell Biol.108. 31-41 (1989)

  • [文献書誌] 月田早智子,檜枝洋記,月田承一郎: "A new 82-kD barbed end-capping protein(redixin)localized in the cell-to-cell adherens junction:purification and characterization" J.Cell Biol.108. 2369-2382 (1989)

  • [文献書誌] 檜枝洋記,月田早智子,月田承一郎: "A new high molecular mass protein showing unique localization in desmosomal plaque." J.Cell Biol.109. 1511-1518 (1989)

  • [文献書誌] 月田承一郎,伊藤雅彦,月田早智子: "A new 400 kD-protein from isolated adherens junctions:Its localization at the undercoat of adherens junctions and at microfilament bundles such as stress fibers and circumferential bundles." J.Cell Biol.109. 2905-2915 (1989)

  • [文献書誌] 松本元,月田承一郎,新井孝夫: "Organization of the axonal cytoskeleton:Differentiation of the microtubule and actin filament arrays." In Cell Movement.Alan R.Liss Inc.335-356 (1989)

  • [文献書誌] 月田承一郎,月田早智子,永渕昭良: "The undercoat of adherens junctions:A key specialized structure in organogenesis and carcinogenesis." Cell Struct.Funct.

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi