研究課題/領域番号 |
01480543
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
西垣 功一 埼玉大学, 工学部, 助教授 (10107378)
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研究分担者 |
宮下 晃 埼玉大学, 工学部, 助教授 (90132729)
木原 拡 埼玉大学, 工学部, 助手 (90204958)
伏見 譲 埼玉大学, 工学部, 教授 (80011641)
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キーワード | 核酸構造 / 熱振動 / プライマ-活性 / 一本鎖核酸 / 協同的融解 / 勾配ゲル電気泳動法 / 制御酵素 / PCR |
研究概要 |
1.精密勾配ゲル電気泳動法の開発洗練について:既にできあがっていた基本的枠組みの上に精密系としての洗練の作業と自動化を検討した。合成したオリゴヌクレオチド及び一本鎖核酸、二本酸核酸に関する解析から精密系としての実験条件が明からになった。具体的に再現精度は従来の3%の誤差から今回2%以下の誤差にまで上がった。また協同的融解現象の温度を0.3度の誤差で測定できることが示された。これらのことをもとにしてPoland-Fixman-Friereや和田・伏見らの理論的融解温度との対比がある程度現実的になった。一方、核酸分子同定法として「DNAプロフィ-リング法」(ランダムPCR法と精密勾配ゲル電気泳動法との組合せ技術)が着想され、有効であることが示された。自動化に関する研究は画像入力を中心に種々方法的検討を行っている。 2.酵素学的アプロ-チ:(1)プライマ-活性検定法;溶液中の核酸構造ダイナミクスを調べる上で独自に開発した本方法は新たにいくつかの方法的改善が付け加えられる(PS法、アンル-ト解析など)と同時に溶液中での核酸構造の具体的なデ-タが集められた。またそれらをもとに理論的に解析するためのコンピュ-タプログラムを開発した。(2)制御酵素法;溶液中の一本鎖核酸の構造ダイナミクスを反応速度論の実験から定量的にとらえた。同時に我々の一本鎖切断モデルを決定的に支持する結果を得た。 3.熱振動装置について:装置本体およびその制御系をほぼ完成させた。同時に運転条件を概ね確立した。それらによって約10秒の周期での核酸溶液の熱振動が可能となった。装置の有効性を調べるためのPCR実験では従来型に較べて高速に目的を達成する能力をもっていることを示した。
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