研究課題/領域番号 |
01480543
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
伏見 譲 埼玉大学, 工学部, 教授 (80011641)
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研究分担者 |
鈴木 美穂 埼玉大学, 工学部, 助手 (60222064)
宮下 晃 埼玉大学, 工学部, 助教授 (90132729)
西垣 功一 埼玉大学, 工学部, 助教授 (10107378)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 核酸 / 2次構造 / 準安定2次構造 / 変性勾配ゲル電気泳動 / TGGE / ランダムPCR / プライマ-活性測定法 / DNAプロフィ-リング |
研究概要 |
分子レベルで生命現象を理解するためには核酸ー核酸あるいは核酸ータンパク質の特異的相互作用を知る必要がある。換言すれば水溶液中における核酸の構造の多様性や安定性の総体、即ち準安定構造を含む知見がその現象の理解に重要と考えられる。3年間の本研究では十分に研究されていないこの領域に挑み、以下に述べるような新しい方法論の開発とそれを用いて新しい現象の発見がなされた。 1.精密変性勾配ゲル電気泳動法の開発・洗練とそれによる溶液中核酸構造に関する知見の獲得および応用技術の開発:従来の変性勾配法を客観性・再現性が高く多情報な系である精密変性勾配ゲル電気泳動法に改良した。それにより、変性効果に依存した溶液中核酸の構造多様性およびダイナミクスを具体的に捉えることができた。ここでは確立された分子固有の「規格化移動度曲線」の概念は分離・同定に実用的であるのみならず、構造ー移動度相関の解析の基礎デ-タを与えるものであることが示された。実際、2本鎖DNAに関する精密TGGE解析のデ-タについては部分的に構造ー移動度相関が求められた。また、協同的融解や鎖解離に対応する実験デ-タを集めることが可能となった。この応用技術としてランダムPCRを組み合わせた「DNAプロフィ-リング法」を開発し、巨大ゲノム解析などに有効であることを示した。 2.その他の溶液中核酸構造解析技術の開発と現象の発見:一本鎖核酸の溶液中構造を探る方法として「プライマ-活性測定法」を開発・洗練し、さらにマイクロISFET測定法にも発展させた。それにより分子内・分子間の準安定な二次構造を定量することが可能になり、一方でコンピュ-タプログラムによる理論的予測も予備的ながら成功した。この技術の周辺に「プライマ-・ストッパ-法」、「オリゴヌクレオチドと制限酵素の協同作用による異常切断現象」をはじめとしていくつかの技術的、現象的発見がなされた。
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