研究概要 |
小児の気管支喘息、アトピ-性皮膚炎、アレルギ-性鼻炎の重症化、難治化の要因として易感染傾向があげられる。易感染傾向の免疫学的パラメ-タ-として次のものを検討した。 (1)末梢血リンパ球ADCC活性、NK活性:易感染傾向を有する重症気管支喘息児29名、重症食物アレルギ-を有する重症アトピ-性皮膚炎児31名、健康児21名で検討を行なった。結果、重症喘息群、アトピ-性皮膚炎群においてNK活性の有意(p<0.05)な低下がみられた。 (2)末梢血好中球の遊走能、貧食能、化学発光能の検討:アガロ-ス法による好中球遊走能は、気管支喘息患児4名において全員低下していた。イ-スト貧食能は、コントロ-ルと比較して差がなかった。PMA刺激による化学発光能はコントロ-ルとは異なる発光パタ-ンを呈した。 (3)血清免疫グロブリン(IgG)サブクラス:気管支喘息児、アトピ-性皮膚炎児において免疫グロブリンサブクラスIgG1,IgG2,IgG3,IgG4を測定したところ、気管支喘息重症群ではIgG4 subclassの低値が認められた。 重症の気管支喘息児、アトピ-性皮膚炎児に次の治療を行なった。 (1)海水療法:9名の重症アトピ-性皮膚炎児を7日間入院させ海水浴を行なったところ、全員皮膚症状の改善が認められ、海水浴も上手に行なえば重症アトピ-性皮膚炎に有効であることがわかった。 (2)トランスファ-・ファクタ-経口投与:重症食物アレルギ-を有するアトピ-性皮膚炎児9名にヒスタミン分画を含まないトランスファ-・ファクタ-を経口投与したところ皮膚症状の著名な改善がみられた。 重症難治性気管支喘息児、アトピ-性皮膚炎児の指標として、以上の免疫学的検査を行なったところNK活性、好中球機能、IgG subclassがその指標となりえることがわかった。
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