研究課題/領域番号 |
01490009
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
鮫島 宗弘 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80015437)
|
研究分担者 |
出口 利定 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50143623)
氏森 英亜 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10015448)
三田 勝已 愛知県発達障害研究所, 治療学部, 室長 (40100169)
宮崎 義憲 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90046136)
|
キーワード | 動作訓練 / 運動関連脳電位 / 事象関連電位 / 表面筋電図 / 運動感覚 / 二次元ARモデル / 二次要素モデル / 波形分離 |
研究概要 |
障害児の動作・機能訓練の基礎的研究として、訓練効果を知るに有効な生理学的指標を、運動発現・運動奏功・運動知覚過程にわたって定量的に計測する方法を開発し、脳性麻痺者を対象とする実験的検討を行った。 1.動作訓練による障害児の生理学的指標の変容過程の解明 (1)運動発現過程について 運動の脳内企画・設計・指令を反映する運動関連脳電位は、脳性麻痺者で早期出現・低振幅化の傾向を示す。運動準備電位の背景活動をなすα波は2〜2成分で構成され、運道準備に伴って脳の病変部位と対応した頭皮上分布と部位間関係を示し、いずれも運動の正常・異常性の解明に有効な指標となる。 (2)運動奏功過程について 表面筋電図をMEM(最大エントロピ-)法でスペクトル解析し、DFP法で分離することにより複数のNMU活動を無侵襲的に分離計測することが可能となり、筋疲労や異常筋電図,さらには運動訓練効果定量計測法としての有効性が確かめられた。 (3)運動知覚過程について 感覚入力から反応形成までの一連の脳内情報処理過程の連続的・客観的指標となるERP(事象関連電位)と筋収縮強度のマグニチュ-ド推定の解析結果から、脳性麻痺者は運動感覚の評価が過敏で不安定であり、これが異常運動の一因となることが確かめられた。 2.生理学的指標により動作訓練効果定量計測法の開発 上記で得られる多面的生体情報の精密計測のために、マイクロコンピュ-タによる加算平均法、FFT法・MEM法によるスペクトル解析、周波数領域波形のDFP法による重畳成分の分離計測法、二次元ARモデルによるオ-ト・クロススペクトル解析法及び時間領域波形の二次要素モデルによる成分分離法が開発された。これにより、訓練・治療教育の現場に導入可能な障害児生体情報処理システムの構成とネットワ-ク構築の指針が得られた。
|