研究課題/領域番号 |
01490017
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 清隆 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (80034479)
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研究分担者 |
江坂 宗春 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (70151975)
堀 貫治 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (50116662)
永松 康徳 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (30144893)
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キーワード | たんぱく質 / 結晶化 / 毒素タンパク質 / 植物細胞分泌タンパク質 / 卵白リゾチ-ム / 光散乱トモグラフ法 |
研究概要 |
今年度の研究課題について、以下のように遂行した。 1.<結晶性毒素タンパク質、lepidopteran toxinの結晶化>___ー 昨年度までは、主として活性毒素断片であるFragmentーTについて結晶化を試みたが、今年度は、そのnative毒素であるlepidopteran toxinの結晶化を試みた。まず、菌体を培養して、毒素タンパク質を回収し精製した。それを可溶化したのち、pH・析出剤・析出剤濃度・界面活性剤添加・シ-ディングなどの条件を組み合わせ、約80種類以上の結晶化条件を試みたが、成功しなかった。 そこで、毒素タンパク質を可溶化した後、ゲルろ過により精製したが、プロテア-ゼの分離が極めて困難で、可溶化したlepidopteran toxinはプロテア-ゼにより速やかに分解されてしまうことがSDSーPAGEにより判明した。今後は、より完全な精製が必要である。 2.<カボチャ培養細胞分泌タンパク質PRーproteinの結晶化>___ー カボチャ培養細胞から分泌された酵素を、ゲルろ過により精製している。まだ、結晶化を行うまでの純度に到っていないので、純度向上のためのクロマトグラフの選択を行っている。 3.<モデルタンパク質・卵白リゾチ-ム単結晶の格子欠陥の観察>___ー タンパク質結晶成長の要素解析の一つの課題として、単結晶中の格子欠陥の観察に新たに取組んだその方法は、レ-ザ-光を光源にして、レ-リ-散乱の原理にしたがって欠陥による光散乱像を断層的に撮影する光散乱トモグラフ法である。その結果、(1)光学顕微鏡では完全とみられた領域に欠陥が存在しており、(2)結晶内部よりも周辺部に欠陥密度が高く、(3)点欠陥と面状欠陥とが存在すること、などが新しく判明した。本方法を、新しく結晶化を試みる上記タンパク質にも適用することを計画している。
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